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サドル師派が第1勢力の公算 イラク総選挙

5/16(水) 23:06配信

産経新聞

 【エルサレム=佐藤貴生】イラクで12日に行われた国会選挙(総選挙)で、2003年のイラク戦争後に駐留米軍と交戦したイスラム教シーア派の反米有力指導者、ムクタダ・サドル師の政党連合が第1勢力になる見通しが強まった。サドル師は一方で、隣国イランの国内への介入も批判しており、米、イラン関係にどのような影響が現れるかが注目される。

 選挙では昨年、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)を壊滅に追い込んだことなどから、アバディ首相の政党連合が優勢だとみられていた。

 選管が発表した国内18県のうち16県の暫定集計結果では、サドル師の政党連合が第1勢力になる公算が大きい。第2勢力はイランと良好な関係にあり、IS掃討作戦に参加したシーア派民兵組織の司令官を務めたアミリ元運輸相の政党連合が有力視されている。アバディ首相の政党連合は第3勢力にとどまるもようだ。

 ただ、単独過半数の議席を獲得する政党連合はない見通しで、連立交渉は難航が予想される。

 サドル師は、イラクの独裁者サダム・フセイン元大統領に反抗して殺害された高名なイスラム法学者の息子。「マフディー軍」という民兵組織を率い、一時は駐留米軍と激戦を繰り広げた。外国の干渉を嫌い、米国だけでなくイランの国内への影響力行使も批判してきた。今回の選挙には出馬していないため、首相候補にはならない。

 英BBC放送(電子版)によると、ISの掃討作戦でアバディ政権と協力してきた米軍は、今も約5千人規模でイラクに駐留している。連立交渉の行方次第では、治安情勢に影響が出る可能性もありそうだ。

 また、イラン政府高官は選挙前、サドル師の政党連合が政権を握ることは許さない-と公言してきた。イランもIS掃討を通じてイラク国内に深く浸透してきただけに、サドル師の台頭に神経をとがらせている。

 イラクでは、多数派のシーア派と少数派のスンニ派、少数民族クルド人の三つどもえの対立が大きな課題となってきた。新たな連立政権が和解を実現できるかも大きなテーマだ。

最終更新:5/16(水) 23:06
産経新聞

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