ここから本文です

中国・新空母の長い影に潜むもの

5/16(水) 0:00配信

FNN PRIME

中国の新空母はスキージャンプ甲板

5月13日、中国にとって2隻目、そして、国産初の航空母艦が、試験航海を開始した。ただ、この空母は、その名称どころか、クラスも現有の空母001級「遼寧」の設計をあらためた「001A級」なのか、「002級」なのかすら、定かではない。

【画像】新空母、「空母キラー」ミサイルの写真はこちら

ただ、外観から分かることもある。
「遼寧」と同様、飛行甲板の前端には、反り返ったスキージャンプ甲板があり、艦載戦闘機のJ-15は、フルパワーで噴射、自力で滑走、発艦する。米空母や仏空母のように、甲板に艦載機の前脚に引っかけ、蒸気の力を使って一気に打ち出す「カタパルト」はない。
カタパルトがあれば、プロペラ機でも発艦させることができるが、スキージャンプ甲板では、自前の推進力で発艦しなければならないため、滑走距離が恐らく足りず、プロペラ機の発進は難しい。

艦載戦闘機の「空の眼」となる早期警戒機は、大きなレーダーを持ち、速度が遅くてもよいから、出来るだけ、長時間飛ぶことが望ましい。
従って、空母に載せられるほど機体をコンパクトにするにはプロペラ・固定翼の早期警戒機が望ましいが、スキージャンプ甲板では運用が難しいことになる。
艦載ヘリコプターに早期警戒能力を付けるか、地上から運用する早期警戒機を使う事になり、中国は、現在の「遼寧」には、プロペラ固定翼の早期警戒機は搭載していない模様だ。地上から運用する早期警戒機では、空母の活動範囲が限定されることになり、ヘリコプターでは、飛行時間が限定される。

新空母は、”中国版イージス艦”と同種のレーダー搭載

中国の新空母で目立つのは、艦橋のレーダー・アンテナ。遼寧は、中国版イージスと呼ばれた052C型駆逐艦同様、カマボコ型に出っ張った構造のアンテナ4枚を四方向に向けたタイプ346レーダーを装備していた。

これに対して、新空母では、052Cより発展した052D型駆逐艦同様、平らなアンテナ四枚を四方向に向けて、艦橋に取り付けていることから、タイプ346Aレーダーを装備しているとみられる。アメリカの空母は、イージス艦と同様のレーダーは装備していない。

中国の空母が、随伴艦となりうる駆逐艦と同様のレーダーを装備するメリットを断言することはできない。
しかし、仮に、データリンクで、相互にリアルタイムでそれぞれの艦のレーダーのデータを共有できるなら、艦隊としての防空を一元化し、効率化できることを示唆しているのかもしれない。

米空母は、イージス駆逐艦やイージス巡洋艦と同様な高性能のSPY-1レーダーを装備していないが、データリンクで、SPY-1レーダーが捕捉した標的の一部の追尾データを共有できる。

1/2ページ

最終更新:5/16(水) 15:00
FNN PRIME