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浦和うなこちゃん石像、工事終了も浦和駅前に戻れない理由 市民ら「なぜ」「駅前に戻して」

5/16(水) 10:31配信

埼玉新聞

 埼玉県さいたま市浦和区のJR浦和駅西口地下通路整備工事に伴い、仮移設された「浦和うなこちゃん」の石像が、工事終了後も駅前に戻れずにいる。元の設置場所はJR東日本の所有地で、仮移設先の現在地は市有地。工事終了後に石像をどうするか、市とJR東の間に取り決めはなく、現在の場所にとどまるか、再移転するのか、石像の今後の行き先は決まっていない。石像は駅前のシンボルになっていたとして、関係者から「駅前に戻してほしい」との声が上がっている。

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 浦和うなこちゃんは浦和のうなぎをPRするキャラクターとして、市内のうなぎ料理店が組織する協同組合「浦和のうなぎを育てる会」が、アンパンマンなどで知られる漫画家の故やなせたかしさんにデザインを依頼。石像は同会が作製して市に寄贈し、2008年5月にJR東所有地の浦和駅西口前に設置された。石像の除幕式には、やなせさん本人も出席している。

 石像の高さは台座も含め約2・1メートル、重さ約2・6トン。浦和駅前の待ち合わせ場所として市民らに親しまれてきた。

 JR東日本大宮支社、浦和区地域商工室によると、駅前の石像設置に当たっては、JR東と市が「JRの事業に支障する場合か、市が施工する鉄道高架事業に関連する事業に支障する場合、市が石像を移転か撤去する」とする覚書を交換。これに基づき、市は16年6月、浦和中ノ島地下通路整備事業開始に伴い、石像を元の場所から北西に約100メートル離れた、浦和コルソ前バス降り場付近に仮移設した。

 市は「地下通路工事に伴い、仮移設する」としていたが、工事が終了した現在も石像は仮移設先に設置されたまま。元の設置場所の下には工事によって駅と中ノ島を結ぶ地下通路が完成していることから、重量のある石像を再設置することは難しいという。

 浦和区地域商工室は「『浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業』の進ちょくも見据え、浦和うなこちゃんがどこにあれば一番いいか、検討したい」としているが、石像の「安住の地」決定はしばらく先になりそうだ。

 市民からは「浦和うなこちゃんはなぜ駅前に戻らないのか」という声が出ている。うなこちゃんが左手に持つうちわを作製している元浦和区長の平沢憲さん(68)は「できれば人通りのある駅前で見てもらいたいです」と話す。

 石像を市に寄贈した浦和のうなぎを育てる会代表理事の大森好晴さん(76)は「石像はやなせたかし先生にお世話になり、駅前のシンボルとなった。浦和のうなぎを市の伝統産業、浦和うなこちゃんをさいたま観光大使とするなら、行政はまちのことを考え、可能性があるなら駅前に戻してほしい」と話している。

■浦和うなこちゃん

 さいたま市の名物であるうなぎをPRするため、市内のうなぎ料理店が組織する協同組合「浦和のうなぎを育てる会」が漫画家の故やなせたかしさんにデザインを依頼したキャラクター。市の観光大使も務めている。JR浦和駅西口前の石像は2008年5月24日に設置された。翌09年には南区の別所沼公園に、同じデザインで、浦和駅前の石像より一回り小さい石像が設置されたが、15年11月、何者かによって台座から外され、持ち去られる事件が発生。これまでに像は見つかっておらず、16年7月、同会からの寄付により、同じデザインの新たな像が再設置されている。

最終更新:5/16(水) 10:31
埼玉新聞