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分刻み“監視”はパワハラ? トイレの回数も社内で共有 女性の訴え 会社側「労務管理のため」

5/16(水) 9:28配信

西日本新聞

 国会で働き方改革関連法案の審議が続く中、職場のパワーハラスメント(パワハラ)への関心が高まっている。西日本新聞の特命取材班にも「会社で上司や同僚から監視され続けた」と訴える声が寄せられた。トイレの回数や時間も記録されたという。会社側は「労務管理のため」と説明する。パワハラに当たらないのか。

⇒【画像】「手帳に書き込み」など分刻みで女性の行動を記録した週報

 「私一人だけ監視され、苦しかった」。こう訴えるのは、大分県中津市に住む40代女性だ。2014年8月、ある薬品販売会社の支店に入社。事務員として17年12月まで働いた。

女性はストレス性の過敏性腸症候群を発症

 女性の話によると、支店ではサービス残業が常態化し、支店長が「サービス残業はうちの伝統だ」と口にしていた。抗議した女性には残業代が支払われるようになったが、同僚との関係が悪化。「仕事ができない。完全に駄目」と暴言を浴び、一人だけお茶を出されないなど職場ぐるみの嫌がらせが始まったという。女性はストレス性の過敏性腸症候群を発症し、頻繁にトイレに行くようになった。

 「監視」はその後始まった。同僚が女性のトイレ時間や回数の計測表を作り、メールで支店や本社の社員に送信。17年1~11月には、支店長が女性の行動を別の同僚に報告させていた。

女性の行動が分刻みで記された「週報」

 同社は17年12月、女性に解雇通知書を渡し、直後に解雇の有効性を確認する労働審判を申し立てた。その過程で、同僚の報告をまとめた「週報」が証拠書類として示された。

 「週報」には離席時間だけでなく、「鼻にティッシュをねじ込みながらカレンダーを眺める」「携帯メール」など、女性の行動が分刻みで記されていた。プライベートの予定を記した女性の卓上カレンダーの写真を添え、携帯電話の通話先や就業後の行動を探る記述もあった。女性は記録されていたことを知らなかったという。

会社側「労務管理上、必要かつ妥当だった」

 特命取材班に対し、同社は「就労時間中に長時間にわたって離席し、職務専念義務に違反していた。プライベートを四六時中監視したわけでなく、労務管理上、必要かつ妥当だった」と説明。職場で女性の就労態度に対する苦情があり、指導しても改善されないため報告させたという。一方、トイレの計測表を社内で共有した点については「問題があった」と認めた。

 その後、同社が申し立てを取り下げたため、労働審判の結論は出ていない。

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最終更新:5/17(木) 12:04
西日本新聞