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ハリウッドのトランス俳優たち:賃金格差への取り組み始まるが、まだ仕事探しに苦労

5/16(水) 11:04配信

BuzzFeed Japan

「ハリウッドに初めて来たとき、トランスジェンダーの俳優はいませんでした。トランスジェンダー向きの仕事があるのかどうか、わかりませんでした。エージェントと最初に契約したときにも、そう言われました」。そう語るのは、ABC局からCMT局に移って復活したカントリーミュージックドラマ「Nashville(原題)」に出演しているジェン・リチャーズだ。【BuzzFeed / Susan Cheng】

それから3年が過ぎても、リチャーズはまだ、すべてのオーディションと、出演契約した役について、「教育的な瞬間」だと見なしている。ハリウッドのキャスティングディレクターやプロデューサーたちに、もっとトランスジェンダー俳優を起用してもらうための「教育的な機会」だというのだ。自分は「Nashville」に登場する初めてのトランスジェンダー俳優であり、CMT局全体でもそうなので、良くも悪くも大きな影響力のあるプロジェクトに参加しているということを自覚しているという。「彼らがこれまでに会った俳優たちのなかで、自分がトランスジェンダーだと公言しているのは私が初めてかもしれない、と強く意識しています。そして、彼らがトランスジェンダー俳優といっしょに働くのは、今回が初めてであるのはたしかです」

有色人種のシスジェンダー(非・トランスジェンダー)たちは、男女ともに、業界での性別や人種による賃金格差を縮めようと闘い、仕事仲間や一般市民、カリフォルニア州の議員から支持を得続けている。しかし、リチャーズのようなトランスジェンダー俳優は、それとはまったく異なる闘いに挑んでいる。新人だけでなく、もっと名の知られている者も含めて、トランスジェンダー俳優たちは、主要な関心事は賃金の平等ではなく、仕事探しだと語っているのだ。

2人のトランスジェンダー女性を描いてエミー賞にノミネートされたウェブシリーズ「Her Story(原題)」で、主演のほか、共同クリエイターと共同脚本家も務めたリチャーズは、「トランスジェンダー俳優たちはかなり後れを取っているので、今のところ、賃金平等はまだ問題になる状態ではありません」と語る。「トランスジェンダー俳優なら誰でも、重要な役を手に入れて報酬をもらえるだけで大喜びすると思います。大きな進歩のように感じられるでしょう」

トランスジェンダー俳優がもらえる仕事自体が少ないので、報酬アップを求めて闘う立場にある者はほとんどいない。リチャーズは最近になって初めて、米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が示す最低賃金を上回るギャラを求めて交渉する資格があると感じた。まだ発表されていないTVシリーズにおいて、報酬が「平均よりかなり高い」シリーズレギュラーの役を得た後、リチャーズのエージェントは、リチャーズのために交渉してギャラのアップにこぎつけたのだ。

自身の成功について、リチャーズは次のように述べる。「1つの番組でこれだけの金額を稼ぐようになったので、今後は、それを下回る仕事を引き受けるようエージェントから勧められることはないと思います。経験豊富で長年にわたってこの業界で働き、私を心から信じて道を誤らないようにしてくれるすばらしいエージェントに恵まれて、本当に幸運です。それに、他の顧客と同じように扱ってくれるので、他のところが私を、他の顧客と異なる扱いをするのをエージェントは許さないでしょう」

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最終更新:5/16(水) 11:04
BuzzFeed Japan