ここから本文です

東北新幹線の上野~大宮間が130km/hにスピードアップ 所要時間を1分短縮へ

5/16(水) 15:43配信

乗りものニュース

大宮以南は在来線並みのスピード

 JR東日本は2018年5月16日(水)、東北新幹線の上野~大宮間で最高速度の向上に取り組むと発表しました。5月下旬から埼玉県内の区間で速度向上に対応した地上設備の工事を始めます。

【図】最高速度を引き上げる区間と工事方法

 東北新幹線は、東京~新青森間の713.7km(営業キロ)を結んでいる新幹線です。新幹線といえば、列車が200km/h以上の速度で走る高速鉄道で、東北新幹線の最高速度も大宮~新青森間は260~320km/hとなっています。しかし、東京~大宮間は在来線並みの110km/に抑えられていて、所要時間短縮のネックになっています。なぜ、この区間だけ速度が遅いのでしょうか。

 1971年(昭和46)年に着工した東北新幹線の東京~盛岡間のうち、東京~大宮間の埼玉県内区間は全長約11kmの地下トンネル(南埼玉トンネル)を建設する計画でした。しかし1973(昭和48)年、国鉄は地盤沈下が進んでいて南埼玉トンネルを建設することが難しいと判断。地下トンネル方式から高架橋方式に計画を変更しました。

 しかし、高架橋に変更することで騒音や振動がひどくなると考えた沿線の自治体や住民が強く反対。用地の買収も進まず工事は大幅に遅れました。1982(昭和57)年には大宮~盛岡間のみ開業。東京都心と大宮駅は在来線を走るアクセス列車「新幹線リレー号」で結ばれました。

騒音対策を施して最高速度向上

 大宮以南の区間はその後、新幹線に並行して通勤電車が走る新線(現在の埼京線)を建設することや、騒音を低く抑えること、そして最高速度を110km/hに抑えるということで国鉄と沿線自治体が合意しています。ただし、当時の国鉄は「線形上の理由」、つまりカーブや勾配が急で速度を出せないため、最高速度を110km/hに抑えるとしていました。

 結局、工事の遅れから1982(昭和57)年に大宮~盛岡間のみ開業。上野~大宮間はそれから3年後の1985(昭和60)年にようやく開業し、東京~上野間はさらに遅れて1991(平成3)年に開業しています。大宮以北では最高速度が開業当時の210km/hから、現在は最大320km/hに引き上げられていますが、大宮以南はいまも開業当時の110km/hのままです。

 JR東日本の今回の発表によると、東京都と埼玉県の都県境にある荒川橋りょうから大宮駅の少し手前までの約12kmで、最高速度が引き上げられます。大半は20km/hアップの130km/hになりますが、埼京線の与野本町駅付近は115km/h、北与野駅付近は125km/hになります。

 これに伴い、JR東日本は騒音対策のための工事を行います。工事は合計約3kmで行われ、吸音板を約2km(戸田公園~戸田間、戸田~北戸田間、南与野~与野本町間の一部区)に設置。残りの約1km(戸田~北戸田間、南与野~与野本町間、与野本町~北与野間の一部区間)は防音壁をかさ上げします。

 工事期間は5月下旬からおおむね2年程度の予定。工事が完了すれば、所要時間は最大で1分程度短くなるといいます。JR東日本は実際に運転速度を引き上げる時期などについて「決まり次第お知らせします」としています。

草町義和(鉄道ライター)