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重度肝硬変の新薬、米製薬会社が申請…承認されれば国内初の治療薬

5/16(水) 11:21配信

読売新聞(ヨミドクター)

 C型肝炎が進行して起きる重度の肝硬変「非代償性肝硬変」を治療する薬について、米国の製薬会社「ギリアド・サイエンシズ社」が15日、日本の審査機関・医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請した。

 この病気の患者は現在、肝移植以外に回復の道がなく、承認されれば国内初の治療薬となる。

 錠剤タイプで、肝炎ウイルスを除去する。炎症が治まると、肝機能の回復も期待できる。服用期間は12週間。欧米では「Epclusa」の商品名で約2年前から使われている。

 同社は2016年12月~今年2月、大阪大病院などで患者102人(40~80歳代)を対象に臨床試験(治験)を実施した。その結果、94人でウイルスが除去され、治療終了から3か月の時点で、24人が以前より肝臓の状態が改善した。悪化した患者は3人だった。

 副作用は比較的軽かった。服用後に3人が死亡したが、元々の肝硬変の悪化によるものと判断された。

 治験は、この薬だけのグループと、肝臓の別の薬も併用するグループに分けて実施したが、成績は変わらなかったため、新しい薬を単独で申請した。早ければ年内にも承認される。

 主任研究者の竹原徹郎・大阪大教授は「肝機能は1~2年かけて緩やかに回復する。効果は個人差があるが、新薬で生活の質が大きく改善する患者が現れるはずだ」と話している。

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【非代償性肝硬変】 肝臓が炎症を繰り返し、本来備わっている再生機能を失った状態の重症の肝硬変。意識障害や腹水があり生活に支障を来し、肝がんにもなりやすい。C型肝炎に起因する患者は国内約2万人。3年以内に半数が死亡するとされる。