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監獄もあった旧中環警察署群跡が文化複合施設「大館」に 観覧受け付け始まる

5/17(木) 1:42配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 香港・中環の荷李活道にある旧中環警察署(舊中区警署)などの跡地を文化複合施設として再開発した「大館(Tai Kwun)」(10 Hollywood Road, Central, Hong Kong)が5月29日、開業する。公式サイトで参観受け付けが始まった。(香港経済新聞)

香港の高層ビル群に囲まれた新たな文化複合施設

 大館は刑務所などを含む建築群で、まず1841年に裁判の関係部署の建物と刑務所が建設された。その後、刑務所の増改築などが行われ域多利監獄(Victoria Prison)として成立。さらに香港政庁は治安対策として警察本部を作ることを決定し1864年に完成した。現在は法定古跡に指定されている。

 建物の老朽化、香港警察の規模拡大などで移転が決まり、歴史的意義のある建物をどうすべきかが話題になっていた。香港政府はすぐに民間企業などによる再開発は行わず、2005年に一度、施設の一部を一般開放して市民に見学してもらったうえで、再開発への要望を募ったという経緯がある。そうした意見を踏まえて香港政府と香港賽馬会(HKJC)が中心となって再開発することが決まった。

 敷地面積は1万3600平方メートルで、総事業費は38億香港ドル。全部で16の施設があり、うち大館と命名された警察本部、監獄長がいた建物、検閲広場、監獄として使われたA倉からF倉、美術館、総芸館など11の施設を開放。その後、武器倉庫、既婚者用宿舎、独身者用宿舎など4つを2018年第4四半期に開放し、残る既婚者用宿舎については現在、どのように修復するのかの計画策定が依然として進められている状況だ。

 最大の見どころは警察本部で、オフィス、宿舎、無線室、ジムも完備していた建物。刑務所だったD倉は放射状の形をしていたビクトリア監獄の建物が唯一残っているもので、監獄以外にも病院として使われたこともある。施設一番奥には樹齢60年を超えるマンゴーの木も植えられている。

 展示やイベントも充実させ、当初は大館の歴史や香港国際映画祭の事務局と提携して警察や法律をテーマにした映画を上映する計画だ。大館内には舞台も設け、ローカル、海外からのさまざまな演目を上演する。第1土曜には検閲広場などで無料のコンサートも開催。ほかにもガイドツアー(英語・広東語)、親子で体験する芸術のワークショップなども予定している。

 ブランド「ヴィヴィアン・タム」、香港人経営のテーラー、生花店、中国茶専門店なども出店。レストランは、中華料理「Old Bailey」、茶餐庁「軽。快翠」、カフェ「Madame Fu-Grand Caf? Chinois」などが店を構える。

 フロアの割合は37%が文物・芸術関係で、36%が建築と一般エリア、27%が商業施設。当初の計画では商業的な印象が強く市民からの不評も多かったこともあり、今回の開業でも大館側は「当施設はショッピングモールではない」と強調している。HKJCでは年間の運営コストは8,000万香港ドルを見込み、オープンから3~5年で収益が均衡すると試算している。

 開業時はセキュリティーの関係からから1日の参観者の定員は2000人に限定し(1グループ最大6人で、1人当たりの滞在時間も最大2時間30分)、その後5000人まで増やす。現在、大館のサイトで参観予約を受け付けている。入場無料。

 営業時間は施設によって異なるが、大館=11時~23時、カスタマーセンター=11時~20時。

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