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【信州人】ベアドッグハンドラー・田中純平さん(44) 人と熊の共存図る“里山の番人”

5/17(木) 7:55配信

産経新聞

 NPO法人「ピッキオ」には平成13年に採用されました。ちょうど、ベアドッグ(熊対策犬)を活用し、「人と熊」の共存を進めようという構想を計画しているころでした。

 知床国立公園の指定区域に入る北海道斜里町で、ヒグマ対策の臨時職員をしていたことがあり、随分、熊の生態を勉強しました。ヒグマは、陸棲哺乳類としては最も大きい野生動物で、人里に出没すれば、農業や人身に被害が出ることもあります。かといって殺しては共存が図れない。

 軽井沢に出没するのはツキノワグマですが、北海道で学んだことがきっと生かせると思った。

 だから、この構想にはもちろん賛成で、ハンドラー(飼育士兼訓練士)に志願しました。ところが、犬の生態や訓練の仕方はよく知らなかった。特に、実際にどうやってしつけていくかは相当、苦労しました。

 犬が好きなだけではだめなんです。擬人化して犬と接してしまう。「ドッグズマインド」を推しはかり、褒めたり怒ったりするタイミングが一番難しい。犬がその行動をしているときに、教え込むことが大切なんです。

 「タマ」が出産した子犬がすべてベアドッグになれるわけではありません。適性が備わっている子犬だけです。選ばれた子犬は、優秀なベアドッグになれるよう、訓練しなればなりません。私はその責務を負っています。

 ベアドッグを国内で出産したことは初めてで、大切なのはこれを継続し、安定化させていくことです。熊の出没に気をもむ地域が全国にあり、ベアドッグを活用し、共存を図れる態勢が整備できればと思います。

 毎日、「タマ」や子犬と寝起きをともにしているので、お酒の量が減りました。街に繰り出して飲み食いするより、自然を満喫しながら、この生活に打ち込んでいる方が楽しい。「タマ」は恋人みたいなものです。(松本浩史)

最終更新:5/17(木) 7:55
産経新聞