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ハマの新人60年ぶり!DeNA・D1東、3安打完封「完全アウェーの雰囲気好き」

5/17(木) 7:00配信

サンケイスポーツ

 (セ・リーグ、阪神0-5DeNA、6回戦、阪神5勝1敗、16日、甲子園)DeNAは16日、阪神6回戦(甲子園)に5-0で完勝した。先発のドラフト1位・東(あずま)克樹投手(22)=立命大=が、9回3安打無失点で初完投を完封で飾り、3勝目(2敗)を挙げた。3安打以下の完封勝利は、球団の新人では60年ぶり。12球団の新人投手で完封一番乗りを果たし、防御率を1・70としてリーグトップに躍り出た。チームは開幕から5連敗していた3位阪神に今季初勝利。ゲーム差を再び「0」とした。

 ロサリオを遊ゴロに打ち取り、27個目のアウトを奪うと、東は怒号とため息が入り交じる敵地で真っ白な歯を見せた。

 「率直にうれしいです。気持ちいいですね。まさか1年目で(完封)できるとは思っていなかったです」

 9回を118球で投げ切り、3安打8奪三振の完封劇。「打たせて取るピッチングを心掛けた」と振り返ったように、140キロ台中盤の直球に加え、カーブやチェンジアップを低めに集め、虎打線を手玉にとった。

 立命大時代に2度の無安打無得点試合を達成した左腕は、最後まで冷静だった。被安打1で迎えた九回、植田に内野安打、糸井に右前打を許して無死一、二塁とされたが、4番・福留を伝家の宝刀・スライダーで遊ゴロ併殺打に仕留め、ここで初めて「完封したいと思った」という。

 完封勝利は今季チーム第1号で、12球団の新人一番乗り。球団の新人による3安打以下での完封勝利は、1958年に15勝(18敗)をマークした鈴木隆以来、実に60年ぶりの快挙だった。

 この日の快投で防御率も1・70とし、ヤクルト・ブキャナン、巨人・菅野ら並み居るエース投手を押しのけてリーグトップに立った。「お母さんの誕生日が近いので、いいプレゼントになったかな」。20日に50歳の誕生日を迎える母・由紀さんには、まさに“MAX”な贈り物となった。

 ボールの切れや抜群の制球力に加え、その強心臓も武器だ。愛知・愛工大名電高時代には3度、甲子園に出場。勝利はつかめなかったが、倉野監督は「逃げる投手にしたくなかった」と当時を振り返る。

 甲子園でのプロ初登板となった5月3日の阪神戦前日。敵地の雰囲気を恐れ「ブルペンの隙間から隠れて試合を見ていた」が、マウンドに上がると「チャンステーマとか、テレビで見ていた応援歌を生で聞けて楽しかった!」と、どこ吹く風。6回4安打2失点と好投した。続く9日の広島戦(マツダ)でも、5回を無失点投球。熱狂的なスタンドにも「完全アウェーの雰囲気は好き」と言い切った。

 チームはこれで阪神戦の連敗を5で止め、ようやく今季初勝利。“鬼門”突破に導いたルーキーをラミレス監督は「文句のつけようがない投球だった」とたたえた。今永、ウィーランドが再び先発ローテーションを外れ、浜口、石田も含めて自慢の先発陣が波に乗れない中、快投を続ける新人左腕は上位浮上への光となっている。

 「(完封は)1つの自信として心の中にしまっておきます」と東。もう実力は疑いようがない。1メートル70と小柄な背中が、聖地で頼もしく映えた。

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