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実質GDP前期比年率、9四半期ぶりのマイナス それよりも気になる材料とは?

5/18(金) 8:10配信

THE PAGE

 内閣府が16日に発表した国内総生産(GDP)統計によると、実質GDP(1-3月期、一次速報値)は前期比年率▲0.6%と9四半期ぶりにマイナス成長を記録しました。

 主因は野菜価格の高騰、大雪等による個人消費の減速ですが、その他項目も押し並べて弱く、輸出、設備投資、住宅投資、在庫投資が下押し方向に寄与しました。全体の成長率から(当該四半期の景気を必ずしも反映しない)在庫寄与度を差し引いた最終需要は±0.0%へと急減速し、2017年央までのトレンドである1%台後半を明確に下回る水準へ鈍化しました。

 一方、設備投資の減速は不可解です。日銀短観等の企業向けサーベイでは軒並み旺盛な設備投資意欲が示されていたのですが、今回の結果はそれと整合しません。したがって、GDP速報段階で示される設備投資の数値は弱めに出ている可能性が指摘できます(より正確な数値は法人企業統計の結果が反映される2次速報値の公表を待つ必要があります)。最後に在庫投資は▲0.6%(年率寄与度)の下押し寄与となりましたが、これは(減った在庫を復元するための生産活動が行われるので)翌期以降の成長にはポジティブな要素ですから、さほど悲観する必要はありません。

個人消費などは意外性のないマイナスの結果 設備投資の減速は不可解

 項目別に解説すると、個人消費は上述のとおり一過性要因によってマイナス、輸出はアジア向け・IT部門で弱さが目立ち、住宅投資はアパートローンの監視強化などを背景に貸家着工が減少基調にあることが影響しました。これら3項目の減速は既発表の月次指標で判明していたとおりの結果で意外感はありませんが、あらためて弱さが示された形です。

 このように1-3月期GDPは一過性要因が集中したことでマイナス成長となりましたが、マイナス成長の主因となった個人消費は雇用所得環境の改善基調が強まっていることから判断して復調する可能性が高いでしょう。足元で雇用者数が著しい伸びを記録し、所定内給与も加速基調を強めています。次に輸出は米国経済が相変わらず順調な成長軌道にあるほか、中国も安定成長を遂げ、ユーロ圏も持ち直しが見込まれることから、趨勢的に減速するとは考えにくいです。設備投資は、企業収益が拡大する下、省力化投資の必要性も増していることから、今回の減速を一時的と判断するのが自然でしょう。以上を踏まえると、4-6月期以降の日本経済は拡大経路に帰する可能性が高いと判断されます。

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最終更新:10/2(火) 15:12
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