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おしぼりで「おもてなし文化」を世界に レンタル・販売のFSX、国際化に力

5/18(金) 7:15配信

SankeiBiz

 「日本のおもてなし文化を世界へ」-。おしぼりのレンタル・販売を手がけるFSXは、日本生まれの「おしぼり」の国際化に力を入れている。最近増えている訪日外国人のおしぼりに対する評価が高まっているのを受け、藤波克之社長は「おしぼりの世界企業を目指す」と言い切る。

 ◆独自開発の冷温庫

 米国で約50店を展開する日系外食チェーンが6月から、FSXの使い切りおしぼりを採用する。不織布の上質素材に香りをつけた高級タイプだ。日本人のおもてなしの心を、おしぼりサービスを通して顧客に届ける差別化戦略のツールとなる。

 FSXは、加温・冷却効率を従来に比べ2倍以上に高め、省エネ効果も期待できる冷温庫「REION(レイオン)」を4月に発売した。独自開発した高効率温度制御システムの採用によって、おしぼりの加温時間を3分の1に、冷却時間を2分の1以下に短縮できる。暑いときに冷たいおしぼり、寒いときに温かいおしぼりを提供するのは、日本で生まれた「心のサービス」。そのサービスを手軽に実現させるレイオンが、おしぼり国際化への戦略商品となる。

 これまでも香港、ベトナム、マレーシアなどアジア市場での納入実績はあるが、おしぼりの米国上陸は初めて。藤波社長は「欧米にはおしぼり文化がないので市場開拓の余地があると思っています」と、本格的な海外進出に意欲をみせる。

 FSXは、1967年に貸しおしぼり業の「藤波タオルサービス」として創業。「モノのサービスはなくなるけど、心のサービスはなくならない」と考え、藤波社長の父、藤波璋光会長が事業を立ち上げた。

 現社名には2016年に変更した。貸しおしぼりの需要が使い切りの紙おしぼりの普及などで減少傾向にある中で、新商品、新技術による事業の広がりが旧社名の枠に収まりきれなくなったからだ。

 父の病気を機に04年に入社、13年に社長に就いた2代目が考案した微香性天然アロマの香り付きおしぼりは、ダンヒルなど高級ブティックも接客に採用。抗ウイルス効果を持たせた「VBおしぼり」では、病院や介護施設、育児施設などにも需要を広げた。ネット販売も始め、順調に売り上げを伸ばしている。

 ◆付加価値や新素材

 貸しおしぼり市場はバブル期をピークに減少に転じ、今ではピークの6割程度(年間約200億円)に落ち込んでいる。FSXは、アロマや抗ウイルスという付加価値を創出。不織布など高級使い切りタイプの素材開発にも取り組み、成長を持続するが、おしぼりの将来を見据える藤波社長の思いは狭い日本だけにとどまらない。

 「新しいおもてなしの感動を創造し、世界中に笑顔を届ける」。FSXが掲げるミッションだ。訪日外国人の増加で「おしぼり」の国際認知度が高まっており、藤波社長は「日本のおしぼりを『Oshibori』として再定義し、世界中に広げるチャンス。新しい冷温庫が世界におしぼりを流通させるためのプラットフォームになる」と強調。自らの壮大な挑戦に身を引き締める。

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【会社概要】FSX

 ▽本社=東京都国立市泉1-12-3

 ▽設立=1976年12月

 ▽資本金=5000万円 (資本準備金含む)

 ▽従業員=160人

 ▽事業内容=おしぼり、タオルなどのレンタル、使い切りおしぼりの販売、関連機器などの販売

最終更新:5/18(金) 7:15
SankeiBiz