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ソニー系高齢者施設で「アイボ」のロボットセラピー始まる

5/17(木) 21:30配信

産経新聞

 ソニーグループの介護付き有料老人ホームなどで犬型ロボット「aibo(アイボ)」を使ったロボットセラピーの提供が始まった。家族の一員のようなアイボとの触れ合いを通じて高齢者の認知症などの症状改善が見込めるほか、現場の人手不足を補う担い手としても期待され、高齢化の進展で市場拡大が予想されている。

 ロボットセラピーでは、認知症などの高齢者がロボットと一緒に歌や踊りを楽しみ、対話などを通じて症状が改善されることが分かっている。アイボも本物のペットのように鳴き声で感情を表現したりして“飼い主”になつき、人に寄り添う性格がロボットセラピーの提供に最適とされる。

 ソニーグループで介護事業を手掛けるソニー・ライフケア傘下のライフケアデザインは、アイボによるロボットセラピーのため4月から「ソナーレ」シリーズの同ホーム3カ所にアイボを導入。今後、新設予定のホームにも導入する。

 既にアイボがやってきた施設では、高齢者が「いい子ね、きょうは何をしてくれるの?」と話しかけ会話が増えるなど雰囲気が一変したという。

 別の施設では来年3月までの1年間、アイボを使ったロボットセラピーの検証にも取り組み、専門的な測定方法も駆使して効果を見極めていく。

 高齢者福祉施設では昨今、介護スタッフのなり手が不足し、高齢者へのケアにも人的な限界が指摘される。ロボットに介護の対応を一部でも任せることが「人に冷たい」との指摘も出されたこともあったが、ロボットの活躍が広がれば現場スタッフの負担軽減につながる。

 ロボットセラピーの草分けとして知られる富士ソフトの「パルロ」は既に1千カ所を超える施設に導入済みだ。現場ではレクリエーションの一環として高齢者とパルロが一緒に歌を歌うなどして認知症の症状改善の成果を上げている。

 今後、高齢化が進むと、こうしたパルロやアイボのようなコミュニケーションロボットの普及がさらに進むとみられる。矢野経済研究所は、国内市場規模が平成26年度の約8億5千万円から32年度には10倍超の約87億4千万円に膨れ上がると予測する。

最終更新:5/17(木) 21:30
産経新聞