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外国人実習生失踪急増で農家苦悩 環境整っているのに…

5/17(木) 15:50配信

日本農業新聞

国の対応期待

 長年、実習生を受け入れてきた長野県JA佐久浅間管内では、研修後にビザが残っていることから、住所が明記された在留カードを使い再入国しているケースが発覚したことがあった。同JA海外農業研修推進部局は「入国管理局にたびたび相談していた。政府の新たな対応により、失踪者が減ることに期待するしかない」と話す。

 関東の監理団体の担当者は「日本語のレベルが高い人材は都会のコンビニなど他業界に行ってしまう」と現状を嘆く。新潟県の農業法人で働くベトナム人の実習生は「農業より飲食店で働く方が環境が良いとよく聞いた。失踪に抵抗ない仲間もいる」と打ち明ける。

目立つ新興国

 失踪については、一部の劣悪な受け入れ実態が報道でクローズアップされることが多いが、法務省によると、近年はより高い報酬の職場を求め、研修期間を過ぎても日本で働きたいと失踪するケースが目立つという。

 全国農業会議所によると、失踪者を国別で見るとかつては中国が大半だったが、近年はベトナム、ミャンマー、ラオスなどが目立つ。新興国は実習生制度の趣旨が浸透していない上、想定以上に日本で言葉が通じないなど、実習環境のミスマッチが起きやすいという。

 同会議所の八山政治相談員は「SNSの浸透で最低賃金が高い都市部や他業界に実習生が流出しやすい状況にある」と背景を解説した上で「韓国に行く実習生も増え、中国は経済発展により、送り出し国から受け入れ国に変わりつつある。日本は実習生の質と数をどう担保していくかが喫緊の課題」と指摘する。

日本農業新聞

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最終更新:5/18(金) 12:12
日本農業新聞