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大雪で赤字、福井市見通し甘く 「貯金」減、さなかの災害

5/17(木) 17:15配信

福井新聞ONLINE

 福井県福井市の本年度予算で約13億円の財源不足になる見込みとなった背景には、財政運営の甘い見通しがあった。社会保障費の増加に加え、近年は中心市街地再開発や北陸新幹線県内延伸の準備などで出費が増大。貯金に当たる財政調整基金の取り崩しが相次ぎ、17年度末の残高がピーク時の5分の1強に急減したところを想定外の大雪に見舞われ、対応できなかった。

 総務省の指針では、財政調整基金の積立額は標準財政規模の10%が目安とされ、福井市の場合は約58億円。しかし、過去20年の実際の積立額は、2006年度の約31億5千万円がピークだった。

 市は07年度から毎年度、予算編成では同基金から3億~8億円を当初予算に繰り入れてきたが、結果として使わなかった事業費など「不用額」が発生するため、決算時には取り崩さずに済んだり、一部しか使わなかったりすることが多かったという。

 15年度末の同基金は約26億円。16年度当初では5億9千万円を取り崩す予算を組んだが、例年同様「ある程度余る」と想定し、17年度当初予算ではさらに8億円を取り崩して計上していた。しかし、国の交付金の想定外の減額により16年度分を全額使い切り、17年度の残高は約12億円に。さらに同年度3月補正予算で社会保障費の精算などで約4億6千万円を取り崩したため、大雪時の残高はわずか約7億4千万円だった。

 市は「基金には手をつけず、一定程度確保しながら財政規律を保ち、災害に備えるべきという考えは常に持っていた」(財政課)とするが、実際には社会保障費などがかさみ、福井国体や北陸新幹線延伸の準備、ハピリンをはじめとする再開発事業などの出費も重なった。基金を積み増すことができず、逆に2年間で約26億円が一気に消えてしまった。

 年度当初に予想できなかった経費として国が配分する特別交付税は、経費の最大50%までしか補?されない制度設計になっており、予算の見直しが困難な年度末に大雪に見舞われた不運はあった。しかし、ある自治体関係者は「大雪があったとはいえ、歳入に見合った歳出を考えていたのだろうか。行財政改革を進めていたとは思うが、詰めが甘かったのでは」と指摘した。