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日本とヨーロッパの違い。中島翔哉のブレイクも不思議ではない【林舞輝インタビュー/第1回】

5/17(木) 14:10配信

GOAL

話題の男にインタビュー

世界のサッカーは変化している。日本が、日本を見ている間に世界は次の段階に進んでいる。

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「今ペップが日本代表の監督になっても日本はW杯で勝てないし、モウリーニョがやっても勝てないし、僕が例えば20年後、30年後、40年後にペップ以上の監督になって、日本代表の監督になったとしても勝てないので。本当に。だから監督だけではないんです。もっともっといろんなことをやらないと」

指導者養成の名門・ポルト大学大学院で学ぶ23歳の若者がいる。高校卒業後、英国の大学でスポーツ科学を学び、勉学のかたわらチャールトンFCの育成組織(U-10)とスクールのコーチを務めた。大学卒業後はポルト大学大学院で最先端のスポーツ科学と指導法を学びながら、ポルトガル1部・ボアビスタのU-22チームでアシスタントコーチを務めている。モウリーニョが主催する指導者養成講座で日本人初の合格者となった。

そして日々、SNSで活発に発言を続ける。

今までにないアプローチでサッカーに向き合う新世代の指導者・林舞輝氏。彼は一体何者なのか? Goal編集部ではそのある種”異質”な存在に興味を持ち、話を聞いた。欧州で学び指導する実際、日本との差、そして欧州最先端の戦術。多岐にわたったインタビューを3回に分けて掲載する。

日本にいたら「もっと勝負にこだわれ」って言う

――最初に、海外でサッカーを学ぼうと思った理由を教えてください。

サッカーを学ぶのだったらその選択肢しかありませんでした。僕がお相撲さんになりたかったら日本にいましたが、より高いレベルでサッカーを学術的に学びたかった。となると日本にいるという選択肢はなくなってしまいました。すごく海外志向があったとか、そういうわけではないんです。

あとは、環境も大きかったですね。父が読売クラブの選手で、母も「女子サッカーって何?」っていう時代に真剣にサッカーをやっていました。サッカーをしたいがために日本に二つしかない女子サッカー部がある大学でかつ女子サッカー先進国のアメリカとの交換留学ができる大学を選んだような人です。父は読売クラブの後ドイツに渡って。父と母は1990年のW杯イタリア大会で出会っているんです。なので、生まれたときから海外のサッカーの話を聞いていたし、話していた。そういう環境だったので、自然なことだといえば自然なんですよね。

――日本での指導経験はあるんですか?

母がずっと小学生のコーチをやっていました。中2の頃にその手伝いをしたのが最初です。地元の小学校、僕も昔入っていた部活でまずは朝練のコーチだけ始めて。小学校で朝練を指導して、そのあとそのまま中学校に行くっていう生活です。高校では部活でサッカーをしていたのですが、進学校だったので受験勉強で部員がすぐやめてしまうようなチームでした。高2の時に小学校のチームから本格的にコーチを頼まれて、週3の放課後練習と土日の練習と試合を見ていました。それが原点です。クラブユースといったトップレベルでは教えていません。

――そして高校卒業後、10代で英国に渡られました。それから5年ヨーロッパで学び、指導する中で、日本との違いを感じますか?

いやあ、もう全然違いますね。とにかく自分(指導者自身)が強くないといけない。何か一つ言うにも「こうしよう、ああしよう」ではなくて、「これとこれやらなきゃ、お前ら全員このまま死ぬぞ!」くらいやらないと。自分自身のリアクションも違いますし。それは日常生活どこでもそうです。ヨーロッパでは何もかも自分から要求しないと聞いてもらえない。

あと、日本の子どもたちは基本的に指示を待っています。でも、こちらは「こうしたい、ああしたい」ってみんなやりたいことがあるんです。それを僕がまとめる感じです。その理由は、文化的な違いもあるし、教育的な違いもあるし、両方だと思います。日本の今の教育現場だと、座って先生の話を聞いていれば、先生が当ててくれて答えるような。ただ、その形が採用されているということは、日本に合うっていうことですからね。

あと、そうだ、僕日本にいたら、「もっと勝負にこだわれ」って言います。ここがすごく大きな違いかな。こちらでは何も言わなくても、めちゃくちゃ勝負にこだわるんです。尋常じゃないぐらい、コーチも子どもたちもすごく負けず嫌い。日本って「目先の勝利だけじゃなくて長期的な目線も考えましょう」みたいな考えがある。そして、それが勝てないチームの言い訳みたいになっている。「今勝てないけど、このチームは子どもたちの10年先、20年先を考えている」みたいな。そんなはずはない。今勝てなければそれは、今遅れているっていうことなんです。

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最終更新:5/17(木) 17:10
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