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売り手市場の悲劇:入社1年目退職した新入社員、第2新卒市場では門前払い

5/17(木) 12:13配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「もう一度、就活をしてもうまくできる気がしない」

有名私立大学を出て、新卒で大手旅行会社に就職をた都内在住の女性(23)。約2年前の6月に内定をもらったときは、泣いて喜んだ。しかし、入社1年目の配属先で悩み、秋に退社した。転職をしようと、エージェントに登録をしても、「あなたの職歴で紹介できる仕事はない」と言われた。

売り手市場の悲劇:入社1年目退職した新入社員、第2新卒市場では門前払い

彼女は就活を「面接の場数を踏んで、就活用の自分になっていた」と振り返る。そして今、進路に迷い、また違う自分が作られているような感覚でいる。

自己PR、企業理念……3冊の就活ノート

売り手市場と言われる中、企業の選択肢が増え、学生たちは短期決戦の就活の準備に追われる。

だがそんな売り手市場で、入社後すぐに辞めてしまう人もいると、就活の取材をする中で学生や既卒者から聞いていた。そんな中で紹介されたのが、この女性だった。

女性が取材に持参した「就活ノート」。ノート3冊と手帳には、就活の情報がびっしり。「自己PR」「会社の強み、弱み」「企業理念」などが、几帳面に書かれていた。

手帳の2016年3月1日の欄には「17卒就活解禁!!」と「意気揚々と書いた」。毎月10社のエントリーシート締め切りや面接の日程が入った。大手を中心に受け、エントリーは36社。第1志望の旅行業界や金融業界が中心だった。

内定は就職先に選んだ旅行会社ともう1社、別の旅行会社の2社から内定をもらった。

「面接で直接、人事部長から内定と伝えられたときは、泣いて喜びました。帰りも泣きながら帰って、お母さんにもすぐに報告しました」

7月以降は研修が始まり、内定者同士の交流も「すごく楽しかった」。

「私と話しているとムカつくのかな」

それほどに内定がうれしかった会社。しかし、入社後、彼女が見舞われたのは研修先での苦労だった。コールセンター部門に配属され、4月の入社から7カ月後の10月、会社を退職した。

最も希望しない部門だったが、最初の応対がうまく評価された。「社会人だし、電話対応もうまくならないと」。そう思い、気力を保った。ただ、クレームを受けた時は、「こんなにお客さんに怒鳴られたかったんだっけ」とどうしても疑問がわいた。

夏休み前は特に電話が混み合う。「すごい待たされた」とすぐに怒鳴る相手の声を、今も覚えている。ミスも重なったが、「まだ当時は前向きだった」。

しかし、7月のある日、クレームを1日3件受けた。

「私としゃべってると、ムカつくのかな」「お客さんのわがままをどう受ければいいか」

自身を責め、処理できないことも増えていった。

辞めたいと思って転職サイトを見ると、「いつも募集しているのは同じ会社。辞めたら就職するところがない気がした」。正社員も見つからないと思い、退社を踏みとどまった。

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最終更新:5/17(木) 14:36
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