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<旧優生保護法賠償訴訟>宮城の女性ら一斉提訴 仙台地裁2例目、札幌と東京でも

5/18(金) 9:51配信

河北新報

 旧優生保護法(1948~96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、いずれも70代の男女3人が17日、国に計7950万円の損害賠償を求める訴えを仙台、札幌、東京の3地裁に起こした。旧法を巡る仙台地裁への提訴は1月に続き2例目で、訴訟提起した被害者は全国で計4人となった。今後、増える見通し。

【写真】旧優生保護法を巡る経過

 3人は1月に全国初の国家賠償請求訴訟を起こした宮城県の60代女性と同様、手術は個人の尊厳を保障する憲法に違反するにもかかわらず、政府と国会が救済措置を怠り続けた「立法不作為」を主張している。

 17日に仙台地裁に提訴した宮城県の女性は、県精神薄弱更生相談所(当時)で63年に受けた知能検査で軽度の知的障害と診断され、16歳時に卵管を縛る不妊手術を受けた。子を生めない体であることが原因で、3度の離婚を経験した。

 女性は「97年に県に手術に関する情報開示を求めてから約20年間、国に謝罪と補償を求め続けたが黙殺された」と強調。手術理由を記した「優生保護申請書綴(つづり)」など当時の関係書類は見つかっていないが、県は相談所が作成し手術の必要性を認めた「判定書」が現存することなどを踏まえ、手術事実の立証に協力する方針。

 東京地裁に提訴した東京都の男性は、仙台市内の児童自立支援施設にいた57年ごろ、精神障害を理由に避妊手術を受けたと主張。札幌地裁に提訴した札幌市の小島喜久夫さん(76)も、同じ理由で避妊手術を強制されたとしている。男性2人も当時の関係書類が見つかっておらず、手術痕や証言での立証を進める。

 各地の支援弁護士による全国弁護団が27日に結成される予定で、被害者の掘り起こしが進むとみられる。仙台市で記者会見した新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は「被害を訴えやすい環境が少しずつ生まれてきた。国は早い段階での謝罪と補償を実現すべきだ」と述べた。

 国側は仙台地裁で3月にあった宮城県の60代女性の訴訟の第1回口頭弁論で、請求棄却を求めた。厚生労働省母子保健課の担当者は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」と話した。

<旧優生保護法>ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身で、1948年から96年まで存在した。3条は本人や配偶者、親族が遺伝性とされた身体疾患などの場合、本人や配偶者の同意を得て不妊手術を行うと規定。4条と12条は、本人に知的障害や精神疾患などがある場合、手術が必要と判断した医師が都道府県の優生保護審査会へ申請し、「適」とされれば本人同意のない強制手術を認めていた。不妊手術を施された障害者らは約2万5千人で、うち強制されたのは約1万6500人に上る。一方、本人および配偶者に精神疾患などがある場合、人工妊娠中絶も認めていた。

最終更新:5/18(金) 16:46
河北新報