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リカちゃんよりも変化? ママやボーイフレンドの変遷を追う

5/18(金) 11:00配信

神戸新聞NEXT

 誕生から51年。今も日本中の女の子に愛されている着せ替え人形「リカちゃん」には大勢の仲間がいる。兵庫県の明石文化博物館で開催中の「リカちゃん展」(神戸新聞社など主催、20日まで)にはサブキャラたちも勢ぞろい。その中に、主人公をしのぐ勢いで代替わりし、最先端の流行を取り入れ続ける人物がいる。閉幕まで数日。見逃している人は文博へ急いで!


 代表的なのが、リカちゃんのママ「織江」。

 主人公「香山リカ」の3回に対し、織江はなんと5回もモデルチェンジしているのだ。同展を担当する梶原誠太郎さん(34)が案内してくれた。

 織江の初登場は1969年。コンセプトは「やさしいママ」で、当時流行のアップスタイルの髪の毛と、落ち着きのある服装が特徴的だ。「ブティックを経営するデザイナーで、バリバリ働く女性のようです」と梶原さん。

 ところが、10年後に発売された2代目「NEWママ」では一変する。

 梶原さんによると「この時代は家電製品が普及し、『家事万能』という家庭的な側面が理想とされました」。織江も、髪の毛を下ろし、たれ目でより優しげな顔になった。

 そして85年発売の3代目。コンセプトは「フレッシュママ」。ここを境に容姿が劇的にかわいらしくなる。というのも、子どもたちの理想が「強くてたくましい母親」から「若くて美しい母親」へ変わったからなのだとか。髪の色も明るくなり、イメージを一新した。

 4、5代目の織江は、さらに美しさに磨きをかける。93年発売の「ハッピースマイルママ」はより細面になり、2001年発売の「サンシャインママ」は身長が2・5センチアップ。小顔化した。

 「母娘で友達のような関係を築く『友達親子』が話題になりましたよね。顔立ちもそっくりになり、おそろいの衣装も増えたみたいです」

 そして6代目、コンセプトはシンプルかつストレートに「きれいなママ」(15年発売)。目が大きくなり、「“美魔女”っぽさもでてきました」と梶原さん。いつまでも自分らしさを大切にする母親という設定らしい。初代と比べ、見た目も設定も違いは歴然だ。

     ◇

 そして、リカちゃんシリーズの歩みをふり返る上で外せない存在が、6人いるボーイフレンドたちだ。

 「一体誰が本命なんだ」という声も聞こえてきそうだが、彼氏ではなくあくまで男友達なのである。

 宝塚歌劇の男役を参考にした「橘わたる」(1968年発売)。当時大人気だった「新御三家」アイドルの面影がある「藤原まさと」(1976年発売)。

 さらに、流行語にもなった「しょうゆ顔」の「佐藤イサム」(1981年発売)、イヤリングが印象的な「駆」(2000年発売)と続く。

 ヘアアレンジのアドバイスをしてくれるおしゃれ男子「レン」(08年発売)の後は、歴代でもっとも背が高く、爽やかな「櫻井遥斗」(16年発売)。

 時代ごとの「イケメン」像が表現されているボーイフレンドたちだが、子どもたちの受け止め方はさまざまらしい。「リカちゃんの彼氏として扱う場合もあれば、店員や運転手にしてしまうこともあるようです」と梶原さんは笑う。

 ほかにも、22年間行方不明だったフランス人の父親「ピエール」や、幻の姉「リエ」など、魅力的なキャラクターがたくさん。リカちゃん以外の変遷にも注目してみてはいかがだろうか。(勝浦美香)

■リカちゃんの目はなぜ左向き?

 リカちゃん人形。幼い頃に遊んだ記憶はあるが、じっくり眺めたのは今回が初めてかも。そこで浮かんだ疑問が一つ。リカちゃんの目って、どうしてすべて左向きなんだろう。

 諸説あるらしいが、有力なのは、じっと見られていると「怖い」と感じる人がいるから、とか。

 確かに昔は、ひな人形が並んでいるだけで落ち着かない気持ちになった。

 リカちゃんママの目も、最新の6代目からはリカちゃんと同じ左向き。そして実は、リカちゃん人形にはごくまれに右向きもいるらしい。

 ずらりと並ぶリカちゃんとその仲間を見比べられるのは残りわずか。訪れたときは、ぜひ目の向きもチェックしてみては。

最終更新:5/18(金) 11:41
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