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ボールを奪い切る昌子流の守り方…人より柔らかい股関節、可動域広く「伸びる足」

5/18(金) 11:03配信

スポーツ報知

 ロシアW杯日本代表候補選手のDF昌子源(25)=鹿島=が独自の守備でW杯に臨むことを誓った。人よりも股関節が柔らかく、可動域が広いことを利用。普通のDFが足を出せない体勢からでも足を伸ばすことができ、ボールを奪い切る。スピードがあり、カバーリングの予測にもたけ、西野朗監督(63)の構想にある3バックへの対応もできるセンターバックは、国際舞台に羽ばたく準備を整えている。(取材、構成・内田 知宏)

 普通の日本人センターバックが「嫌だな」と思うところに、昌子は「チャンスだ」と思って、走っていく。場所はサイドで相手との1対1。カウンター攻撃を受けた時に、よく見られるシーンだ。後ろには広大なスペースがあり、そこを突破されればGKと1対1の場面を作られてしまう。それを嫌うDFは抜かれないことを優先し、決してボールに飛び込まず、スペースを利用されないようにジリジリと下がっていく。そこで昌子は他のDFよりも相手に近づき、ボールを奪いにいく。

 「自分の守り方は、みんながやる守り方とは違うんですよね。やっぱりボールを奪い切ることを考えている。ファウルも与えないで。そういう守備をする人は、他には(日本に)いないと思う」

 それを可能にしているのは股関節。人より柔らかく、可動域が広いという。相手FWがここには届かないだろうという場所にボールを置いても、足を広げ、届くからボールが奪える。前線からセンターバックに転向したのが米子北高1年の時。ポジション歴は長くなく、固定概念にとらわれない発想も手伝って、独自の守り方に行き着いた。鹿島に入ってから知人から紹介された海外サッカー動画で同じような守り方をする選手の映像を見て、自信を深めていった。

 2016年クラブW杯決勝のRマドリード(スペイン)戦で、ドリブルの名手FW、Cロナウドを止めたシーンも、他のDFよりも明らかに距離を近く取り、後ろに下がり続けることなく「伸びる足」でからめ取った。「ロナウド選手にはゴールを決められているから、やられたという印象が残る」と謙遜するが、その守り方が通用することは証明した。

 16日のACL決勝トーナメント1回戦・上海上港戦(アウェー)でも相手の猛攻をしのぎ、2戦合計4―3で10年ぶりの8強入りに貢献。国際舞台で価値を示し続け、ロシアW杯での活躍も視野に入ってくる。

 「(W杯を意識したのは)恥ずかしながら代表に呼ばれて、最終予選に出たくらいです。それまでは漠然と出てみたいなと思っていたけど、自分はまだまだやなと思っていた。でも、最終予選に出たらちょっと(W杯メンバーに)近づくし、意識し始めました。日韓W杯は(鹿島でチームメートの小笠原)満男さん、ソガ(曽ケ端)さん、(中田)浩二さんが入っていたから、満男さんに『W杯ってどういうところですか』って聞いたんです。そしたら『W杯は絶対出た方がいい』と。『もちろん試合に出た方がいいけど、絶対に行った方がいい』と。満男さんが言うなら間違いないし、それを聞いて行きたいと思いました」

 選ばれたら鹿島の選手らしく、戦うつもりだ。

 「鹿島でやっているプレーをそのまま出したい。センターバックは(チームを勝たせる)そういうポジションだと思っている。静かな試合だったと言われるのは本当に嫌なんで、うるさいと言われるくらい声を出す。今はそういう(チームを勝たせられる)人が必要とされていると思うし、自分がそういう選手になれるように頑張ります」

 ◆取材後記 昌子は日本を代表するセンターバックになった今でも、ルーキー時代から守り続けていることがある。対戦選手には「〇〇選手」、相手チームは「ヴィッセルさん」と必ず敬称をつけてコメントする。時にはアウェーのスタジアムにまで「さん」をつけそうになって、丁寧すぎると感じることもあるが、父・力さんや米子北高時代の教え、そして鹿島の精神「ジーコ・スピリット」の一つ、尊重を胸にサッカーと向き合っていることはよく伝わってくる。

 そんな昌子と顔を合わせれば、記者にも必ずあいさつをする。言葉こそ「ウッチー、ウッス」と「さん」はつかないが、長時間取材に応じる姿勢と、目を見て話す姿には昌子の性格が表れているのだと感じる。(内田 知宏)

 ◆昌子 源(しょうじ・げん)1992年12月11日、神戸市生まれ。25歳。地元のフレスカ神戸でサッカーを始め、G大阪ジュニアユースを経て米子北高へ進学。2011年に鹿島入りし、12年3月24日の広島戦でJ1デビュー。対人守備、スピード、フィード力を備えたセンターバック。父・力さんは姫路独協大サッカー部監督で日本協会公認で最上位の指導者S級ライセンスを持つ。国際Aマッチ11試合1得点。182センチ、74キロ。既婚。

最終更新:5/18(金) 11:11
スポーツ報知