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社説:女性の議会進出 多様な声届ける道開け

5/18(金) 11:46配信

京都新聞

 女性の議員を増やし、活躍を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が成立した。
 超党派の議員立法で、国会の全会一致で可決した重みがある。すべての政党が自覚し、法の理念をどう実行に移すか、各党の本気度が問われる。
 国や地方の議会選挙で、投票率の低下傾向が続いている。多様な有権者の思いはどうせ反映されない、といった冷めた意識がまん延していけば、民主主義の根幹を危うくする。
 社会の半数を占める女性が、政治の場では少数にとどまっているいびつさをなくすことは、大きな意義を持つ。民主主義の進化に向けた一歩であり、多様な人たちの政治参画にも道を開くはずだ。
 新法は、国会や地方議会の議員選挙で、候補者数を「できる限り男女均等」にするよう政党に促している。候補者数の目標設定に努めることも規定する。
 あくまで理念法で、罰則はなく、努力義務にとどめている。女性に議席や候補者を割り当てる「クオータ制」でないため、実効性には疑問符が付く。
 だからこそ、各党の取り組みがカギを握ることになる。それぞれ党内事情や議員の意識差はあろうが、ここは議会史上を画する改革のときと覚悟すべきだ。
 来年春の統一地方選、夏の参院選で各党はどんな対応を示すのか。有権者は数値で見極めたい。
 2017年の女性国会議員の比率を各国比較でみると恥ずかしくなる。列国議会同盟によると日本は10・1%、193カ国中158位と先進国7カ国で最低だ。
 女性の社会進出がめざましい世界の流れに、日本は取り残されていることの反映にも見える。欧米で女性のセクハラ告発が高まる中で、日本では官僚や政治家のセクハラ発言が横行する昨今だ。
 新法は議会で男女均等となる環境整備をうたっている。女性が育児や家事を負担している現状を踏まえ、付帯決議で男女を問わず家庭生活と議員活動の両立支援を求めている。
 女性議員を増やしていく過程で、議会が変わっていくのではないか。たとえば男性中心で深夜に及ぶ審議が当たり前だったのが見直され、子連れにも配慮した議会になれば、生活者である有権者が近づきやすくなる。
 女性議員を増やすための人材育成も掲げられている。
 ようやくできた法だが、育てないと意味がない。政党や議員がしっかり努力しているか、有権者の見定めが大切になってくる。

最終更新:5/18(金) 11:46
京都新聞