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社説:日大アメフット 危険プレー繰り返すな

5/18(金) 11:47配信

京都新聞

 何度見ても、負傷した選手の痛みが生々しく伝わってくる危険なプレーである。スポーツマンらしからぬ卑劣な行為に、怒りを募らせる人が多いのではないか。
 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦で、日大選手が行った。なぜ、このようなことが生じたのか、日大の責任者は明らかにしてほしい。
 問題のプレーがあったのは、試合開始早々だった。
 関学大のクオーターバック(QB)がボールを投げ終わって力を抜いているところに、日大の守備選手が背後からタックルした。
 QBは転倒し、腰の靱帯(じんたい)を損傷するけがをした。
 無防備な選手への「ひどいパーソナルファウル」という反則である。競技団体によって、日大の当該選手は対外試合出場禁止処分、内田正人監督は厳重注意処分となった。ペナルティーが科されるのは、当然のことだろう。
 関学大の抗議に対する回答で日大は「心より謝罪する」としたものの、「意図的な乱暴行為を選手に教えることはない」と主張した。これは素直に受け取れない。
 アメフットは、組織的な作戦が勝敗を左右する競技であり、各選手は指令を受けて、動いているからだ。内田監督が、試合前に相手QBを負傷させる趣旨の命令をしていた、との話もある。
 こうした点を踏まえたうえで、当該の危険プレーがなぜ起きたのかを、日大は説明しなければならないはずだ。
 関学大が「疑問、疑念を解消できておらず、誠意ある回答とは判断しかねる」としたのは、うなずける。
 日大の監督ら責任者が、負傷した選手に直接、謝罪することも必要だ。
 日大は24日までに関学に再回答するそうだが、具体的な説明とともに、実効性のある再発防止策を打ち出してもらいたい。
 危険プレーを受けて、関学大が定期戦を行わないことに言及している。法政大、東京大、立教大、明治大、成蹊大は、予定されていた日大との試合を中止した。
 楽しみにしていたファンにとっては、残念なことだろう。
 日本アメリカンフットボール協会は、スポーツ庁に出向いて経緯などを報告。ホームページに、危険なプレーの防止を求める文書も掲載した。アメフットの競技関係者・団体すべてが、危険プレーを繰り返さないよう、さらに努力を積み重ねるべきだ。

最終更新:5/18(金) 11:47
京都新聞