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開発期間3カ月、ダイキン「アシストサーキュレータ」が届ける新しい空気のカタチ

5/18(金) 7:00配信

Impress Watch

 ダイキン工業が5月10日に発売した「アシストサーキュレータ」。エアコンとの併用を想定した製品で、エアコンの風が届かない死角にも空調をアシストし、部屋全体の空気を快適にするという。これは、同社が社員6,000人から製品アイディアを募る企画の中から生まれたもので、開発期間も約3カ月とこれまでにないスピードで製品化された。

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 実勢価格は約4万円。サーキュレーターの中では高額な部類だが、本体内部には同社がエアコン開発で培ってきた技術が詰まっているという。

 「確かにサーキュレーターと考えると高いのですが、本機はダイキンのエアコンと同様にクロスフローファンを採用しており、9m先まで風を届けられます。内部の構造は、エアコンから熱交換器を取ったものと実はほぼ同じなんです。室外機はないので、設置場所も選びません」と、開発を担当したダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室・成実 峻介氏は話す。

 エアコンのように、温めたり、冷やしたりということはできないが、DCファンを採用することで遠くまで風を届けられ、静かながらも空気をよくかき混ぜるのだという。これにより、さまざまな間取りで設置されたエアコンの風をしっかりアシストでき、快適な空調を実現するのだ。

 消費電力が低いのも特徴。最大風量8.2m3/分で、消費電力は22W。1時間の電気代は約0.6円の計算だ。なお、風量は5段階(8.2m3/分~1.6m3/分)に設定できる。

■空気の困りごとに応じた3種類の設置方法

 本体は、壁掛け/床置きに対応。室内における空気の困りごとに応じて、自由自在に設置できる「マルチパーパス構造」を特徴としている。部屋の形や家具の配置に合わせて設置方法を変えられるため、より効果的な空調を実現するという。主な設置方法は、「アシスト/エアカーテン/サーキュレーション」の3通りだ。

1.エアコンの風をムラなく届ける「アシスト」設置

 「アシスト」設置では、エアコンの風が届かない死角ゾーンに気流を届け、室内の隅々まで快適にする。

 例えばL字型の部屋の場合は、エアコンと並べて設置することで、エアコンの風が届かない場所にも、アシストサーキュレータが風を運んでくれる。細長い部屋にはエアコンの対角に設置することを推奨しており、部屋全体に風が届くようになるという。

 なぜL字型の部屋は、アシストサーキュレータをエアコンと並べて設置すると良いのだろうか。

 「冷房の場合、まっすぐに風を届けるエアコン気流でも、冷気は少し横に漏れます。この横に漏れた冷気を、エアコンと並べて設置したアシストサーキュレータが拾って、遠くまで届けるのです。アシストサーキュレータは9m先まで風を運べるので、L字型の奥まった部屋でエアコンの風が届かない場所にも、冷気を行き渡らせます」(成実氏)

 なお、壁掛けの場合は簡単な取付工事が必要だが、本体サイズは800×160mm(幅×高さ)とコンパクトなため、場所を選ばず設置できる。半間の袖壁や、窓上の下がり壁にも取り付け可能だ。工事費の目安は3,000円。コードは2.5mと長く、電源はコンセントから供給可能。

2.熱や冷気の侵入を軽減する「エアカーテン」設置

 「エアカーテン」設置は、ドアや窓の上に取り付け、真下に送風して空気の間仕切りを作り、廊下や階段、窓際からの熱や冷気の侵入を軽減する。

 エアカーテンは、レストランやスーパーなどでも使われている技術で、業務用機器も存在する。ドアを開けっ放しにしておきたいレストランなどは、冬はドア側が外気で寒いという悩みがあるが、エアカーテンを導入して屋外からの冷気を遮断している。屋内のエアコンの暖気を空間全体に届け、温度ムラができないようにしているのだ。

 アシストサーキュレータを使ったエアカーテンの実験も行なっており、結果は以下のとおり。14畳の部屋のドアを開けた状態で、ドア上部にアシストサーキュレータを設置。設定温度23℃で暖房運転をしたところ、ドア周辺の温度は約16℃になった。一方、アシストサーキュレータを動かさず、エアコンのみを運転させていた場合はドア周辺温度は約6℃まで下がっていた。

 実際に、エアカーテン設置でアシストサーキュレータを動かしている部屋も体験させてもらった。室内のエアコンは暖房運転になっていて、ドアの外は冷房が効いている。しかし、ドア付近もしっかり暖かく、外の冷房の風はしっかり遮断されていた。

 アシストサーキュレータが設置されている真下はエアカーテンの風を感じるが、少し離れるとまったく気にならず、暖房の邪魔をしていない。

 「最近はリビング階段を採用している戸建住宅も多く、暖気が上にあがってしまってリビングが寒いという声をよく聞きます。窓際だけでなく、そういったリビング階段にもエアカーテンは有効です」と、成実氏は話す。

 ちなみに筆者宅では、飼い猫が冬でも外に出たがるため、1日に数回窓を開けることがある。もちろん夏場も猫のために窓を開けることは多く、エアコンで冷房運転しているともったいなく感じる。さまざまな家庭の空調事情にあわせて、エアカーテンは有効活用できそうだ。

3.「サーキュレーション」設置

 3つめの「サーキュレーション」設置は、エアコンの対面の壁に取り付けることを想定したもの。室内の空気を循環させ、天井や床面に溜まった暖気や冷気を攪拌させて温度ムラを解消する。

 なお風向き角度は、10度刻みに5段階で調節可能。壁掛け設置時は、用途にあわせて固定角度が異なるため、あらかじめ吹き出し方向を决めておく必要がある。

 本体サイズは、800×173×160mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約5.5kg(壁掛け設置時)。運転音は35dB~50dB。

■スマートスピーカーで音声操作も

 本体には無線LANを搭載しており、スマートフォンからの操作も可能。離れた場所からの起動や、風量・風向きの操作ができる。同社のエアコンとも連動でき、個別に操作する手間を軽減するという。リモコンを別売りで用意し、価格は1,900円(税抜)。

 さらに、2018年3月に発売した「リソラ」が、スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズに対応しているため、リソラとアシストサーキュレータを連動させれば音声操作も可能。「アレクサ、ダイキンでリビングを冷房25℃で運転して」と話しかけると、リソラの電源がオンになり、同時にアシストサーキュレータの運転もスタートする。

 Amazon Echoとの連携は、今後「うるさら7 Rシリーズ」など、他の壁掛け型ルームエアコンについても順次対応予定とする。

 インテリアとの調和を意識した本体は、吹き出し口、吸い込み口、ファンを見せないシンプルな「オールパンチングメタル」デザインを採用。内部に指が入りにくく安全性にも配慮している。

 「現在、アシストサーキュレータ以外にも、社員6,000人から募ったアイディアで製品開発を続けています。この企画は、これまでになかった新しい空間や商品を提案する新しい取り組みで、今後も多様化するユーザーニーズに対応したさまざまな製品を展開していきたいと思います」(成実氏)

家電 Watch,西村 夢音

最終更新:5/18(金) 12:37
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