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<岐阜ダルク>薬物依存症の怖さ、演劇で 20日公演

5/18(金) 12:30配信

毎日新聞

 依存症の怖さを演劇で伝えたい--。薬物やアルコール依存症が疑われる事件が社会問題化する中、薬物依存症者らの社会復帰を支援する民間リハビリ施設「岐阜ダルク」(岐阜市真砂町)が、体験に基づいた演劇に取り組んでいる。依存症の恐ろしさを伝えるのが目的で、日本ダルク(東京)などによると、演劇での啓発は珍しいという。入所者らは20日の舞台本番に向け、稽古(けいこ)に余念がない。

 「どうしてやめたいのに、薬がやめられないの!」。17日、岐阜ダルクでは、主演のちかこさん(47)=仮名=が泣き叫ぶ声が響いた。演劇のタイトルは「どん底からの出発」。どん底に落ちた後、病気と向き合い再出発していくというメッセージが込められている。

 岐阜ダルクの遠山香施設長(53)の実話をベースに、入所者の過去の体験を織り交ぜた。劇中に登場する、薬物を断とうと一度は花壇の中に埋めた薬を再び掘り起こすシーンは、遠山さんの実体験に基づいたものだ。シナリオを考えたのは、岐阜ダルクでリハビリに励むあやかさん(26)=仮名。覚せい剤取締法違反(使用)の罪で少年院を経験したこともある。

 岐阜ダルクは2004年に開設後、これまで県内の中学、高校を中心に薬物依存症の怖さを伝える講演を続けてきた。しかし演劇にすることで、もっと身近に依存症の恐ろしさを伝えることができると考え、今回の演劇化につながった。

 演出は、13年度の県芸術文化奨励賞を受賞した島源三氏(79)。島氏は連日の稽古にも立ち会った。遠山施設長は「自分たちの経験を演劇でいろいろな人に伝え、社会や誰かの役に立つことができればいい」と語る。今回の演劇を成功させ、今後は県内の中学、高校でも披露したいと意気込む。

 20日は岐阜県大垣市内で午後2時から公演する。場所などの問い合わせは岐阜ダルク(058・201・3555)まで。【沼田亮】

最終更新:5/18(金) 15:47
毎日新聞