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みなかみ町長辞職勧告1週間 続投姿勢も強制わいせつ容疑で県警は立件方針

5/18(金) 7:55配信

産経新聞

 みなかみ町の前田善成町長(50)をめぐるセクハラ問題で、町議会が辞職勧告決議案を全会一致で可決してから1週間が経過、“最後通告”を突きつけた議会側は静観の構えだが、前田町長に辞任の意向はなく「ブログを見てくれ」と繰り返している。不信任や解散の可能性を指摘する声も出る中、県警は強制わいせつ事件として立件方針を固め捜査を進めており、町民の視線は冷ややかだ。 

 みなかみ町役場で16日に行われた全員協議会。セクハラ問題は議題にあがっていなかったが、前田町長も出席したこともあり冒頭、議員側から辞職勧告に対する町長の姿勢をただす質問が出た。だが町長は強気の姿勢を崩さなかった。

 「私は辞職するつもりはないし、仕事で責任を果たしたい。ブログを見てほしい」。1週間前と発言はほとんど変わっていない。質疑は5分ほどで終わり、対決姿勢を見せていた小野章一議長は、改めて「辞職勧告決議を真摯(しんし)に受けとめ、辞職してもらいたい」とコメント。

 ある町議は「町も混乱しており、6月議会までには辞めてほしい」「今は町長の対応を見守るしかない」と語った。

 一方、被害女性から被害届を受理した県警は、関係者に話を聞くなど、捜査を継続中だ。捜査関係者は、「時間がかかるかもしれないが、関係者は多く事件内容が固まれば」として、立件する方針とした。

 被害女性の代理人弁護士は産経新聞の取材に応じ「町長はブログで事実と異なる一方的な主張をしている。現時点では、たとえ町長が謝罪に来ても、受け入れられない」と答えた。

 前田町長を含む関係者によると、前田町長は4月18日夜、町内で開かれた宴席で、女性に対し無理やり抱きつき、キスをするなどしたとされる。

 町長の姿勢が変わらない事態に60代の町民は「町長のやったことは軽率そのもの。セクハラは人権問題、小さな町で被害女性がますます傷つくことは明らかで、放置することは許されない」と語った。

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 ■見えぬ「落としどころ」 私的問題筋が通らない解散

 若い女性に抱きつきキスをするという行為はもちろん、発覚後の町長の対応が事態を悪化させた。捜査当局は立件する方針だが、なにをもって落としどころとするのか、先が見えない。

 財務省の前事務次官によるセクハラ発言問題で、世間の耳目がセクハラに集まる中、その状況を理解していないようにみえる対応が続いた。

 前田町長は当初、「相手との合意があったと思っている」と強気の姿勢を貫き、10日と16日の全員協議会では「自分のブログをみてほしい」。議会への明確な説明はなく、観測通り辞職勧告決議が可決された。一方で同日更新されたブログでは被害女性に対して謝罪し、反省の意を示した。

 複数の県議らによると、“最後通告”ともいえる辞職勧告が可決された当日まで、町議だけではなく町役場幹部職員も加わり進退について町長を諭していた。だが続投の姿勢に変化はなく、ついには不信任決議も見越してか、「辞職する気はさらさらなく、(不信任決議案が可決された場合)、解散もちらつかせていた」(県議)という。

 地方自治法では3分の2以上の議員が出席した議会で、4分の3以上の賛成を得た場合、不信任は議決される。10日以内に議会を解散しないと、自治体の長は自動的に失職する。県によると、平成7年以降、不信任が議決されたのは1例のみという。

 町長の判断で解散したとして、何が得られるのか。そもそも私的な問題を追及され、解散するのは筋が通らない。選挙戦で、捜査対象である前田町長の姿勢に賛成すると断言する町議はほとんどいないだろう。執行部側と議会が余計にねじれるだけだ。

 地方議会は自治体の長と議員それぞれを住民が選挙で選ぶ二元代表制だ。「5779票」という町民の信任を得て当選した重みの再考が必要ではないか。

 町のホームページ(HP)によると、前田町長の座右の銘は「善因善果」という。善い行いはいずれ良い結果に報われるという意味だ。町民に対する「善行」を見つけ出してほしい。

最終更新:5/18(金) 7:55
産経新聞