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韓米に強硬姿勢の北朝鮮 文大統領の「仲介外交」正念場

5/18(金) 15:05配信

聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の非核化に向け大きな転機となる朝米(米朝)首脳会談を目前に控え、北朝鮮が韓国と米国に対し強硬な態度に出たことで、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の「仲介外交」が正念場を迎えている。

 韓国青瓦台(大統領府)は、北朝鮮が米国に対しては外務省、韓国に対しては祖国平和統一委員会がそれぞれ非難の声を強めている理由を分析すると同時に、現状を悪化させないよう立場表明を自制し、慎重モードを取っている。

 青瓦台関係者は18日、聯合ニュースの取材に「舞台裏で北にメッセージを送っている状況。前日に発表した青瓦台の路線が維持されていると見ればいい」と語った。

 青瓦台は17日、同日の国家安全保障会議(NSC)常任委員会で「朝米首脳会談が相互尊重の精神の下で成功裏に行われるよう、(朝米間の)立場を調整していくことにした」と伝えた。朝米がそれぞれ相手の立場に立って考えるべきというのが青瓦台の説明だ。

 朝米が非核化を巡る原則的合意に近づき、北朝鮮が北東部・豊渓里の核実験場閉鎖の日程まで公表した状況で、米国から強硬メッセージが相次いだことに対する北朝鮮の不満を米国は考慮すべきであり、北朝鮮も同様に来月12日の朝米首脳会談を控え威嚇的な発言を慎む必要があるとのメッセージと受け止められる。

 だが、朝米の間を取り持つことに集中せねばならない青瓦台は、最近の一連の流れが一種の神経戦の様相を呈しているとみて、慎重姿勢を保っている。

 青瓦台高官は、北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長が17日に「深刻な事態が解決されない限り、南朝鮮(韓国)の現政権と再び対座することは容易に実現しないだろう」と発言したことに関し、記者団に「(状況を)見守るということしか言えない」と述べるにとどめた。北朝鮮の対韓国非難も朝米間の非核化プロセスを巡る駆け引きと切り離しては考えられないとの判断から、言葉を控えたようだ。

 懸念されるのは、北朝鮮が韓国と米国を同時に非難し、文大統領が仲介役として動きづらくなることだ。この間、緊密な韓米連携と南北首脳会談をてこに朝米間の信頼醸成に注力してきた文大統領は、北朝鮮の不満を解消して朝米首脳会談を成功に導くという一層困難な課題を抱えることになった。

 こうしたなか、北朝鮮を非核化に向けた安定的な軌道に戻すため、先延ばしされてきた南北首脳間のホットライン(直通電話)による通話を優先すべきとの声が出ている。

 北朝鮮は韓米空軍の定例合同演習などを不満の理由に挙げたが、文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)がホットラインで「本当の理由」を虚心坦懐(たんかい)に話し合い、誤解があるなら解き、米国に伝えることは伝えるべきだということだ。

 文大統領が来週のトランプ米大統領との首脳会談で北朝鮮の真意を説明し、疑念を解消してこそ、スムーズな朝米首脳会談の下地を整えることができる。

 だが青瓦台は、南北首脳の通話がいつになるのかについて、「状況を見ている」と繰り返すばかりだ。不満をあらわにする北朝鮮の真意を各級のルートで把握するのが先だと考えている可能性もある。このため、ホットライン通話が文大統領の訪米後になる可能性も指摘されている。

最終更新:5/18(金) 15:20
聯合ニュース