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ITで無農薬作物守る 神戸のNPO法人がデータ蓄積、害虫や病気防止へ

5/18(金) 7:55配信

産経新聞

 無農薬農業などを通じて環境保全を発信するNPO法人「ピース・アンド・ネイチャー」(神戸市中央区)は17日、神戸情報大学院大(同区)と協力し、害虫や病気から農作物を守るため同市北区の農地にIT機器の導入を始めた。農地全体に通信機器やセンサーを設置し、農作物に最適な環境のデータを蓄積する。同NPO代表理事でイラン出身のバハラム・イナンルさん(53)は「日本の地で環境に優しい農業を実現したい」と意気込んでいる。

 イナンルさんはイランが戦争で荒廃したため、停戦後の平成元年に来日。飲食店員や英語教師で生計を立てていたが、長男が食べ物が原因のアトピーを患ったことをきっかけに食に関心を持つようになった。15年に日本の恵まれた環境を守ることを目的として同NPOを設立し、北区の農地で無農薬農業を始めた。

 無農薬農業では、どうしても農作物が害虫や病気による被害を受けやすい。イナンルさんは「虫にも食べる権利はある」と、当初は被害に目をつぶっていたが、農作物が収穫できなくなるほどの被害が続いた。

 そこで、以前から同NPOの活動に参加するなど交流があった神戸情報大学院大に協力を依頼。同大でITによる農業の技術革新を研究していたハンガリー出身のマルコン・シャンドル教授(70)が「自分たちの研究が役に立てるなら」と依頼を快諾した。

 今回設置したのは、通信機器やセンサー、土壌の状態を観測する装置などで、米や野菜が育つ過程で生じる問題をいち早く探知できる。問題が発生するまでの温度や湿度など環境の変化を通信機器を経由して専用のコンピューターに送り、データとして蓄積。それを分析することで、害虫や病気被害の再発防止につなげる。

 イナンルさんは「自分1人だけの力では小さいので、この取り組みがさらに広がるように情報発信に努めたい」と強調した。

最終更新:5/18(金) 7:55
産経新聞