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東京五輪・パラボランティア、障害者対応へ11万人に実技研修 都など方針

5/18(金) 7:55配信

産経新聞

 ■大会後の共助社会後押し

 2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都と大会組織委員会は9月募集開始のボランティア11万人に対し、障害者のアスリートや観客らをサポートするための実技研修を実施する方針を固めた。ノウハウ習得には座学だけでは不十分と判断。多様な障害に対応できる人材を育成し、大会後のレガシー(遺産)として共助社会の実現につなげる狙いもある。ボランティア参加を促すため、企業や大学への働きかけなども加速させる。

 組織委は昨年3月、大会のバリアフリーに関して「アクセシビリティ(利用しやすさ)ガイドライン」を公表。ボランティアのトレーニング内容について「障害者が満足する大会サービスは何か、障害者の要望をどう実現するか取り上げる」などとしている。

 ガイドラインは障害者と接する際の注意ポイントに関し、同伴者でなく本人に向かって話すことなど細かく指摘。ガイドラインに基づきトレーニング内容を検討する組織委と都は、多様な障害に対応するために実技研修が必要と判断した。

 11万人を対象にした研修の講師の確保や、カリキュラムの具体的な内容などは今後、詰めていく。インターネットを利用する「eラーニング」、座学もあわせて実施するといい、19(平成31)年10月の研修開始に向け詳細を固める。都幹部は「障害への理解を深めた人たちの存在が大会後の共助社会実現を後押ししてくれる」と期待する。

 11万人のボランティア数はロンドン大会約7万8千人、リオデジャネイロ大会約5万人と比べて多く、人数の確保が課題となる。

 都は都内の企業向けにボランティア休暇制度の創設を支援する助成金制度を始めた。昨年度は休暇制度を実際に作って社内に周知するなどの要件を満たした約400社に20万円を支給。今年度も500社の枠を設け、募集を始めた。

 また組織委と連携して今後、大学に夏季の試験をずらすなどの対応を要請していく方針。首都大学東京は既に五輪期間中の授業や試験を前倒しして実施することを決めている。

 関係者によると、平昌大会では記念品を渡したり、ボランティアを対象にした就職説明会やコンサートを開いたりするなどの工夫があった。都関係者は「過去の事例も参考にしてボランティアのモチベーションにつながる取り組みを考えたい」と意気込む。

最終更新:5/18(金) 7:55
産経新聞