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「日本一暑いまち」群馬・館林に暗雲? アメダス6月移設でどうなる!?関係者冷や汗

5/18(金) 9:00配信

産経新聞

 全国有数の「暑いまち」として知られる群馬県館林市。真夏になると連日35度以上の猛暑日を記録し、埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市などと「暑さ日本一」をめぐってバトルを繰り広げていたが、その根拠となるアメダス(地域気象観測システム)が6月にも同市内の別の場所に移設されることになった。ネット上では「高温になりやすい場所にあるのでは」「ずるい」などと疑問の声があがっていただけに、今夏の観測気温に注目が集まりそうだ。

■館林は「ずるい」!?

 現在のアメダスは同市美園町の館林消防署駐車場の一角にある。観測機器自体はフェンスと低木で囲われているものの、駐車場やアスファルト舗装の道路と隣接。地面が芝生ではなく、防草シートで覆われている。実際にアメダスの近くに立つと、駐車場の車やアスファルトの照り返しでじわじわと熱を感じる。近くには集合住宅もあり、風通しもさほど良くない。

 こうした設置状況にインターネット上では「(アメダスが)高温になりやすい場所にあるのでは」などと暑さを疑問視する声もあった。また「館林 気温」と検索すると、並べられた関連キーワードに「ずるい」という言葉が最初に出てくる。

■にじむ不安

 とはいえ、前橋地方気象台の担当者は移転の理由について、「現在委託している館林消防署の移転に先立つもの」と説明。消防署は平成32年度までに移転する見通しのため、「現在の観測所から離れていない場所で一定の面積を確保でき、熱源や高い建物もなく、長期間使用できる」などの条件をクリアした館林高校に移設先を決めたという。

 移設先は、消防署から北西に2キロ離れた同校のグラウンドの一角。広い土のグラウンドと風通しの良さに現在の設置場所と「全然違う」という印象を受ける。気象台の担当者に移設後の気温の見通しを聞くと、「環境が変わるので気温が上がるか下がるか分からない」と話す。

 例年、暑さを売りにしたイベントを展開してきた地元の人たちも、移設の行方を注視している。館林商工会議所は「日本一HOTなまち 激辛・激甘・激冷グルメ総選挙」を毎年開催して地域活性化を図っている。新井利和実行委員長(58)は「館林は暑さで有名な街。知名度を考えると暑い方が良いが、アメダスが移転して今年からどうなるのか」と、不安の色をにじませた。

■暑さ対策は継続

 一方、気温が30度以上の日にセールを行う、かごめ通り商店街の斉藤進会長(68)は「移設後のアメダスが測定する気温がどうなるのか分からないが、街の中は何も変わらない。今まで通り」と冷静だ。かごめ通り唯一のかき氷店「やぎや」の店主、木村実さん(61)は「暑ければお客さんは来てくれる。アメダスの場所が変わっても気にはしていない」と、強気の姿勢。

 市では平成19年8月16日に40・3度を記録し、その後も「暑いまち」の常連に名を連ねてきた。今年も4月22日に全国最高の32・1度を観測。5月には市役所玄関前に高さ2・6メートルの特大温度計が設置された。市地球環境課は「アメダスを移設して気温が下がったとしても暑いエリアなのは変わらない。今後もしっかり暑さ対策をしていく」と話す。

 19年の記録的猛暑では、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市が8月16日に過去最高の40・9度を観測。25年には高知県の江川崎市で歴代最高の41度を観測している。

 館林市内のそこかしこで目にする「日本一暑いまち」の看板。アメダスの移設後、疑念を払拭して堂々と「日本一」の称号を獲得できるのか、今夏の観測結果から目が離せない。(斎藤有美)

最終更新:5/18(金) 9:00
産経新聞