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警視庁、執念の潜行捜査 わいせつ動画投稿男を逮捕 他人のスマホなど使う巧妙手口

5/18(金) 10:39配信

産経新聞

 電車や駅で撮影したわいせつ動画を短文投稿サイト「ツイッター」に投稿していた男が今月10日、警視庁保安課に逮捕された。男は身元がバレないように投稿には他人のスマートフォンを使い、公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を利用して違法な投稿を繰り返していた。インターネットの匿名性を隠れ蓑にした巧妙な手口。潜行捜査約1年、同課はカメラやネットの解析など地道で息の長い捜査で男の身元を絞り込み、ついに尻尾をつかんだ。

■「ガチでヤバい」と話題に

 今月10日、警視庁保安課が、平成28年8月にJR山手線で40代の女性のバッグからスマートフォンを盗んだ窃盗容疑で、千葉県柏市桜台の派遣社員(33)を逮捕した。男は逮捕直後、バッグからでなく、座席の上にあったスマホを取ったと主張する一方、動機をこう語ったとされる。「自分の携帯だと、身元がバレると思った」

 男が隠したかったのは、自らの違法な動画投稿だった。捜査関係者によると、スマホには電車内や駅の構内などで計35人の女性に体液をかける動画が残されており、男は28年9月から昨年12月までの間に、32回にわたってツイッターに動画を投稿していた。

 《ガチでヤバいTwitter(ツイッター)アカウントを見つけてしまった》。28年9月、大手掲示板「2ちゃんねる」では、ツイッターに繰り返し投稿される動画の存在が話題になった。

 駅の構内や電車内、エスカレーター…。大勢の人が行き交う公共の場所で撮影されたとみられる動画の中で、男が女性の背後に迫り、自身の性器を露出。あろうことか、そのまま自慰行為に及び、体液を女性の衣服にかける一部始終がおさめられていた。

 昨年5月には「わいせつな動画が出回っている」との内容の情報提供が保安課にもたらされ、同課が捜査に乗り出した。

■巧妙に偽装工作か

 だが男は巧妙な偽装工作を行い、捜査の網からその身をかわし続けた。

 他人のスマホを使うだけでなく、インターネット接続する際には都内各所のコンビニエンスストアなどの公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を使用。ネットでの「足跡」を残さないようにして、身元特定を困難にしていた。

 さらに「(撮影場所は)電車内スタジオ」「(体液をかけられた女性は)エキストラ」などのメッセージが動画に添えられることもあり、「スタジオで撮影したように偽装しようとしていた」(捜査幹部)という。

 しかし捜査員の地道な努力により、包囲網は徐々に狭められていく。

 捜査員は、男が使用していたツイッターアカウントの通信履歴を丹念に解析。男が昨年12月、東京都足立区のコンビニのワイファイからネットにアクセスし、自らの“動画コレクション”の一つをアップロードしていたことを突き止めた。

■防犯カメラから身元特定

 その後、コンビニ近くにある商店街を歩く男の姿を防犯カメラで確認し、男の特定にこぎつけた。保安課は男のわいせつ動画の投稿を覚知してから約1年が経過した今年4月、わいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで男を逮捕。男の自宅を家宅捜索し、犯行に使われたスマホも発見した。

 捜査幹部は犯行の背景について、「自分の特殊な性癖を満足させる。盗んだスマホは、そのためのツールとして使われていた」と指摘する。

 わいせつ動画をネットに投稿した動機について、「同じ趣味を持つ人に自慢したかった」と話したという男。いびつな欲求を暴走させた代償は高くつきそうだ。

最終更新:5/18(金) 10:39
産経新聞