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組織の「外から変える」ではなく「中から変わる」―永和システムマネジメント平鍋健児と、LINE横道稔が語る“アジャイル開発”の本質

5/18(金) 11:01配信

リクナビNEXTジャーナル

「ソフトウェア開発は仕様書通りにさえやればいい」そんなふうに思っていませんか?顧客、企画者、開発者、すべてが一丸となって作り上げることで最高の製品を目指す「アジャイル開発」という手法があります。
人と人とのやりとりに重きを置くことで、製品に、世の中にもっとインパクトが与えられないか。作り手の熱意が漏れない製品開発に挑み続けるアジャイル開発の達人・永和システムマネジメント平鍋健児氏と、LINE株式会社で組織の中から価値の伝播に取り組む横道稔氏が、「アジャイル開発の本質」について語ります。

対談者プロフィール
横道 稔(よこみち・みのる)
LINE株式会社 Delivery Managementチーム
SIer、事業会社を経て、2018年 LINE株式会社入社。Delivery Managementチーム テクニカルプロジェクトマネージャー。エンジニアやエンジニアリングマネージャー、プロダクトオーナーなどのバックグラウンドを活かしながら、開発プロセス改善支援などに従事。リーン・アジャイル好きが高じて、その分野のPodcast「」を配信中。
平鍋 健児(ひらなべ・けんじ)
株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長
3次元CAD、リアルタイムシステム、(旧名:JUDE)などの開発を経て、現在は、アジャイル開発を実践するエンジニアであり経営者。初代アジャイルジャパン実行委員長、要求開発アライアンス理事。共著書『アジャイル開発とスクラム ~顧客、技術、経営をつなぐマネジメント~』 ほか翻訳書多数

「こんなに楽しく仕事してもいいんだ」衝撃を受けた平鍋氏との出会い

横道(LINE):平鍋さん、ご無沙汰しております。
平鍋(永和システムマネジメント):ちょうど先日、Facebook上で転職の報告を拝見したばかりですね。プレゼントを贈ったのが記憶に新しいです。
横道:その節は、ありがとうございます(笑)。今年の2月にLINEに転職したばかりなんです。
――お二人はもともと面識があるんですね!どのような経緯で知り合われたのですか?
横道:僕はLINEの前は4年ほど事業会社に、その前は7年ほどSIerに勤めていたんですが、SIer時代の2012年にに初めて参加して、そこで平鍋さんのセッションを聴いてとても感銘を受けたんです。そのことがキッカケで、SNSやイベントでお声をかけさせてもらってお知り合いになりました。
▲LINE株式会社 Delivery Managementチーム 横道 稔氏
平鍋:その時はなんのセッションでしたっけ?
横道:「アジャイル開発の10年と今後を語ろう。」というセッションです。「」のちょうど次の年でした。
SIerの頃は僕はJavaでの開発やアーキテクチャ設計、要件定義、プロジェクトマネジメントなどをやっていて、アジャイルについてあまり知識もなく当時お話されていたことは正直そんなに理解できなかったんです。ただ、平鍋さんがとにかく熱意を持って楽しそうに喋っていたことが強く印象に残りました。
※Innovation Sprint 2011……ソフトウェアにおけるスクラムの創始者Jeff Sutherlandと、スクラムを日本型イノベーションプロセスとして発見した野中郁次郎氏の対談を実現したイベント。

平鍋:ええ、本当?僕はあまり意識していなかったんだけど(笑)。
▲株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長 平鍋 健児(ひらなべ・けんじ)氏
横道:すごく衝撃的でしたよ。「あ、こんなに楽しく仕事をしている人がいるんだ、そうしてもいいんだ」と。僕はそれをキッカケにアジャイルやスクラムに傾倒していきました。
SIerにいる間にもスクラムマスター研修を受けさせてもらったり、部分的に取り入れてみたりして、その結果もっとアジリティの高い開発をやりたいという気持ちが強くなったので事業会社に転職しました。
事業会社に入ってからはエンジニアや、スクラムマスター、開発責任者、プロダクトオーナー、エンジニアリングマネージャなどいろいろと経験させてもらいました。その後、昨年LINEがスクラムマスターの募集を出していたのを目にして、今回転職することになりました。
平鍋:「スクラムマスター」の募集が出ていたの?それは珍しいですね。
横道:そうなんですよ。スクラムという手法に固執しているのではと邪推し、その時点では懐疑的でした。ただCTOとお話ししていく中で、CTOの持っているエンジニアのコンピタンスや自律チーム文化に関する価値観にとても共感し、そこに会社として投資していくための募集であることに感銘を受けたので入社を決意しました。
今は、その後立ち上がったDelivery ManagementチームというCTO直下組織(DMT)で、テクニカルプロジェクトマネージャーという肩書きで、アジャイルコーチのような形で開発現場の課題解決をサポートしています。DMTでは、他にもプロジェクトマネジメントの支援や、開発プロセスのトレーニングなどを行っています。
平鍋:Delivery Managementという名前はすごくいいですね。作るだけじゃなく、届けないと意味がないですからね。

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