ここから本文です

米空軍、なぜいま「軽」攻撃機なのか A-10などの負担軽減、導入の背景に戦争の変質

5/18(金) 6:20配信

乗りものニュース

負担軽減策としての軽攻撃機

 アメリカ空軍が運用している攻撃機といえば、頑丈な装甲に強力な30ミリ機関砲を備えるA-10「サンダーボルトII」が有名ですが、現在アメリカ空軍では、このA-10の役割を支える新たな軽攻撃機の選定計画を進めています。

【写真】不滅のA-10、貫禄の運用40年越え

 アメリカ空軍が導入を考えている軽攻撃機とは、敵が強力な対空兵器などを配備していないような脅威度の低い地域で活動し、地上にいる武装勢力などを攻撃するための安価な航空機のことです。

 従来こうした任務はA-10などが担当していましたが、度重なる任務の実施は機体や整備チームにとって大きな負担となっています。こうした負担を軽減するための新たな選択肢として、この軽攻撃機が注目されているのです。

 軽攻撃機には上述のような地上攻撃に加えて、戦場での監視や捜索救難といった任務も期待されていて、さらにはほかの味方航空機への空中給油といった機能を持たせたいという声もあります。

本当に有用なの? 評価試験は第二段階へ

 現在アメリカ空軍ではこの軽攻撃機が本当に有用な存在なのかを確かめるための試験を実施中で、第1段階は2017年8月から9月にかけてニューメキシコ州ホロマン空軍基地で行われ、第2段階は2018年5月から同じくホロマン空軍基地で行われています。もともと第2段階の試験では中東の戦場に候補となる機体を派遣し、実際に戦闘任務をこなすことでデータを収集する計画でしたが、それよりも機体に関するさらなるデータ収集に際して、参画している企業との密接な連携を重視してアメリカ国内での試験に移行したようです。

 試験第1段階には、ブラジルのエンブラエル社が開発したA-29、アメリカのL3とエアトラクター社が開発したAT-802L、アメリカのテキストロン社が開発したAT-6、同じくテキストロン社が開発した「スコーピオン」という4機種が参加しましたが、試験第2段階に進めたのはこのうちA-29とAT-6のみでした。

 この2機はいずれもノーズ部分に装備したプロペラによって飛行し、さながら第二次世界大戦機を彷彿とさせる見た目ですが、もちろんレシプロエンジン機ということはなく、いずれもターボプロップ機です。A-29は最高速度時速590km、機体にはロケット弾や誘導爆弾などさまざまな兵器を搭載できます。一方のAT-6は最高時速約585km、機体には誘導ロケット弾をはじめとした多彩な兵器を搭載できます。

1/2ページ