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低価格化強まる中四国スーパー ドラッグストア対抗もメーカーは「今さら」

5/18(金) 12:30配信

食品新聞

中四国地方のスーパーで低価格化の動きが強まっている。背景には積極出店や食品の扱いを増やすドラッグストア(DgS)との競争激化があるが、メーカーからは「今さら」「中途半端だ」といった声も聞こえてくる。

フジは今月1日から「300品目値下げ宣言」として冷食、飲料、菓子などを1~2割値下げし販売を始めた。「これまでDgSには十分に対抗できていなかった。いくつかの品群において価格面でしっかりと対抗する」(山口晋専務)との姿勢を示す。

マックスバリュ西日本はデイリー商品の一部を1~2割値下げするほか、DS業態のザ・ビッグにおいては「さらに低価格化を進め、真のディスカウントを目指す」(加栗章男社長)考えだ。このほか、天満屋ストアやリテールパートナーズも、EDLP品目の拡大やエリアに合わせた値下げ対応を進めている。

先般、発表されたスーパー各社の決算では、中四国に展開する上場6社のうち既存店売上げが前年を超えたのは2社のみ、客数はいずれも前年を下回った。その理由としてDgSとの競争激化を挙げる小売業は多い。

半端な安売り「誰得?」

各社は価格訴求を強めることで客数の回復につなげたい考えだが、メーカーからは低価格化の進行に対する懸念の声が次々と上がっている。

大手メーカーの営業担当者は「ドラッグの台頭は今に始まったことではない。スーパーの値下げは『今さら』という感じ」と指摘する。

また、別のメーカーはあるスーパーから、小売価格200円の商品を限定数ながら98円で販売したいと要望を受けた。「中途半端な数量だけ安く売っても、消費者は喜ばない。誰が得するのか」と嘆く。

トップブランド商品を持つメーカーの支店長も悩んでいる。「値下げ品の対象にトップブランドの商品は入らないので、売上げが落ちる。かといって、その商品をディスカウントされるとエリアでの商売がやりにくくなる」と複雑な思いを明かす。

飲料メーカーの担当者は「スーパーはドラッグの売価を引き合いに出してくるが、納価を安くしているわけではない」と強調する。そもそも両者の販管費には大きな差がある上に、DgSは食品で稼ごうという考えを持ち合わせていない場合が多い。

今後もDgSの出店は続く。昨年1年間、中国・四国9県(政令市含む)に提出された大店立地法の新設届出件数は83件。このうちスーパー11件に対し、DgSは36件と3倍を超える。さらに、最近は営業時間を延長する動きも広がっている。

スーパーも値下げだけに向かっているわけではなく、生鮮の惣菜化やインストアベーカリーの強化など、DgSにはない特徴を打ち出し顧客の支持を集める対策を講じている。物流費や人件費の高騰、それらに起因する値上げという逆風が吹く中、価格訴求に頼る販売が長く続くとは考えにくい。一時的ではない施策で、いかに客数の回復を実現できるかが問われている。

最終更新:5/18(金) 12:30
食品新聞

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