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なぜ是枝監督は“新しい家族の形”を模索し続けるのか?【カンヌ映画祭2018】

5/18(金) 17:11配信

dmenu映画

5月13日午後10時30分(現地)から始まったカンヌ映画祭での『万引き家族』の公式上映。日曜日のソワレは、映画祭が用意する最上級の上映時間帯である。そして、上映終了後。クレジットがあがり始めた直後から、メイン劇場リュミエールに詰めかけた人々の拍手は温かかった。

「まだできたての作品なので、直したいところはないかと確認しつつ見ていたのですが(笑)、拍手が温かくてホッとしました。(カンヌ映画祭への参加が)7回目でもこの緊張はかわりませんね」と、是枝裕和監督はこの時の気持ちを記者会見で語った。

血のつながりだけが家族の絆なのか?

『万引き家族』は是枝監督の14本目の長編劇映画。年金暮らしの“おばあちゃん”の家で“父”“母”“子ども”“孫娘”が暮らしている。“父”とまだ小学生くらいの“息子”は生計を万引きで助けていた。ある晩、“父”は近所のアパートのベランダに締め出されていた幼女を家に連れ帰る……。

「もし日本でこの“家族”のことが報じられれば、“犯罪者”と紹介されるだろうし、僕もそう認識すると思う。けれど彼らが“家族”として過ごした日々には、ニュースだけでは伝わらないエモーション……においとか、光とか、喜怒哀楽があると思うのです。それを描きたいと思いました。そこには彼らを断罪する側が定義する、家族とか共同体の在り方が映し出されてくるのではないかとも考えました。

ここ数年、家族というものについて描いてきました。そして血のつながりだけが家族の絆なのか、と問いかけてきました。現代の日本社会と摩擦が起きてしまうような“家族”について、きちんと描こうと家族の側に寄って描いてきたのですが、今回は社会の方に寄ってみようと思い、社会によって切り裂かれていく家族を描きました。

この“家族”を構成するメンバーは、そういう“現在の常識的な家族や社会”から捨てられた人、また関係を作ることに失敗した過去のある人です。彼らは意識的にその関係をやり直そうとしているのです」と是枝監督。

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最終更新:5/18(金) 17:11
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