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八戸の騎馬打毬 ポロの本場・英国へ 6月初の海外演武/青森

5/18(金) 11:23配信

デーリー東北新聞社

 八戸の騎馬打毬、英国へ―。毎年8月、八戸三社大祭の中日に奉納される「加賀美流騎馬打毬」が、6月10日に英国ロンドンで開かれる「ポロ」のイベントに参加し、武技を披露することになった。継承活動に取り組む八戸騎馬打毬会(山内正孝会長)にとって初の海外での演武。歴史をたどれば同じルーツとされるポロの本場での実演を前に、関係者は「八戸の伝統文化を世界に発信したい」と意気込んでいる。

 宮内庁の資料などによると、騎馬打毬は紀元前6世紀から同5世紀に古代ペルシャで発祥。インドから中国を経て8~9世紀ごろに日本に伝わったとされる。

 八戸に伝わる加賀美流騎馬打毬は1827(文政10)年、長者山新羅神社を改築した際に奉納されたのが始まり。馬に乗って毬杖を操り、地面に置かれた毬を拾い上げて自陣の毬門(ゴール)に投げ入れて勝敗を競う武芸の一つ。青森県の無形民俗文化財に指定されている。

 ポロも馬に騎乗し、マレットと呼ばれるつえを使ってボールを運び、得点を競う。インドなどを経由し、英国にスポーツとして伝わった。

 英国での加賀美流騎馬打毬の披露は、「ポロブランド」のアパレルを扱い、日本でポロの競技の普及を手掛ける「ポロ・ビーシーエス」(東京)の高井春彦取締役が、交流のある国際ポロ連盟のニコラス・デンバーズ会長から数年前、「日本にもポロらしいものがあるようなので調査してほしい」との依頼を受けたのがきっかけ。

 高井さんはこれまで複数回、八戸を訪れて加賀美流騎馬打毬を視察。デンバーズ会長の意向を受け、昨年8月に「ポロの本場で騎馬打毬を披露してほしい」と、八戸騎馬打毬会に英国での実演を打診した。同会も世界に騎馬打毬を知ってもらういい機会―と快諾した。

 イベントはロンドン市郊外のリッチモンドで開催。演武を行うのは、同会に所属する前田智久さん(23)=八戸市=と板橋正直さん(39)=同=で、山内卓さん(40)=同=がコーディネーターとして帯同する。現地ではポニーに騎乗するものの、衣装や毬杖などは八戸から持参し、できるだけ“実物”の騎馬打毬を披露したい考えだ。

 17日は、同市の乗馬クラブ「POLOライディングクラブ」に関係者が集まり、打ち合わせを行った。

 初の海外での演武に向け、山内会長は「同じルーツを持つ騎馬打毬とポロが、一緒の会場で技を披露し合えるのは意義深い。ぜひ成功させたい」と意気込みを語り、「世界中の人に八戸の文化を知ってほしい。外国人観光客に、本物の騎馬打毬を見に八戸へ来てもらうきっかけにもなれば」と力を込めた。

 企画の実現に向け、同会と南部打毬を支援する会は、渡航費用などを補うために寄付を募っている。

 問い合わせは、南部打毬を支援する会の工藤義治代表=携帯電話090(6785)7924=へ。

デーリー東北新聞社