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歴代英ロイヤルウェディングの食事 振り返ってみると、こんなに深い意味がありました

5/18(金) 17:05配信

ハフポスト日本版

イギリスのロイヤルウェディングで出される食事は、ただの豪華な食事ではない。

ユニバーシティー・カレッジ・オブ・ロンドンの食品人類学者カオリ・オコーナー氏は、入念に考えられたメニューには、「イギリス社会におけるロイヤルファミリーの立ち位置が反映されている」と言う。

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「単なるグルメではありません。それはイギリスを食べる食事です。食事は象徴であり、深い意味の込められた儀式なのです」

■ 1923年 アルバート王子とエリザベス・ボーズ=ライアンさんのメニュー

映画『英国王のスピーチ』のモデルとなったアルバート王子が、エリザベス・ボーズ=ライアンさんと結婚したのは1923年。アルバート王子は次男だったが(後に、兄の退位によりジョージ6世として国王になる)、結婚式は豪華にとりおこなわれた。

これが結婚式で出された食事だ。

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ウィンザー・スープ
メアリー女王のサーモン・シュプレーム
アルバート皇太子のラムチョップ
ストラスモア・チキン
ハムとタンのゼリー固め
ロイヤルサラダ
アスパラガスのムースソース
エリザベス公爵夫人のストロベリー
バスケットに詰めた甘いお菓子
デザート
コーヒー

* * *

9種類の食事からなる豪華なメニューから、当時のイギリス人たちがロイヤルファミリーに何を求めていたかがわかる、とカオリ・オコーナー氏は述べる。

「この後に大恐慌が起こりますが、1923年当時、それはまだまだ先のことでした」

「イギリス社会は、ロイヤルファミリーの結婚式に『ショー』を求めていました。つまり豪華な食事です。これくらいやらないと、国民はがっかりしたでしょう」

■ 1947年 エリザベス王女とフィリップ・マウントバッテンさんの結婚式メニュー

一方、アルバート王子とエリザベス王妃の長女、エリザベス王女がフィリップ・マウントバッテンさんと結婚したのは1947年。「豪華なウェディング」の時代ではなかった。

戦後のイギリスでは、人々の生活は苦しく、食料配給が日常的だった。もし、結婚式で両親と同じような豪華な食事が出されていたら、王家は社会の期待を裏切ることになっていただろう、と歴史家のアニー・グレイ氏は述べる。

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マウントバッテン風シタビラメ料理
ウズラのキャセロール
サヤインゲン
ノワゼット風ポテト
ロイヤルサラダ
エリザベス王女のアイスクリーム
お菓子
デザート
コーヒー

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結婚式で出された食事は、「如才ないメニュー」だとグレイ氏は説明する。

ロイヤルファミリーは自分たちの農場や菜園を所持していたため、肉や野菜や果物の制限はなかった。

それでも、王室が社会の基準に沿っている、ということを示さなければいけなかった。グレイ氏はこう述べる。

「ウズラはとても賢い選択です。狩りで手に入れられるため、ウズラは制限されていませんでした。それに、広く狩りできる場所があるバルモラルでは、簡単に手に入れられました」

その一方で、「1万マイルケーキ」というニックネームで呼ばれた、9フィート(約2.7メートル)、4層のウェディングケーキは、寄付されたドライフルーツと砂糖とバターで作られた。厳しい戦後の配給事情を反映している。

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