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青森県内誘致企業 コンタクトセンターの割合増加 「粘り強く、真面目」雪国の気質も評価

5/18(金) 11:28配信

デーリー東北新聞社

 青森県内の誘致企業の中で、事務作業の外注を請け負う「コンタクトセンター」関連業の割合が増加している。背景には人材確保や経費の安さに加え、災害など有事に備えて機能を分散する狙いがある。県内では事務的職業の有効求人倍率が0・39倍(3月現在)と低く、求人、求職双方のニーズも合致。企業側が東北地方の人材に抱く「粘り強く、真面目に仕事に取り組む」というイメージも好印象を与えているようだ。

 ■八戸を中心に進出

 県産業立地推進課によると、誘致企業の業種別割合は、誘致を開始した1962年度から2017年度までを通して見ると、製造業が50・5%(289件)でトップ。非製造業が24・8%(142件)、うちコンタクトセンター関連は8・2%(47件)。

 13~17年度の5年間に限ると、製造業が26・7%(20件)。非製造業は54・7%(41件)、コンタクトセンター関連は29・3%(22件)を占めた。

 多くの関連企業が進出する八戸市では、14年に「八戸IT・テレマーケティング未来創造協議会」が発足。3月末現在、13社が加盟し、市や県と連携しながら業界の認知度向上を図っている。

 県内の17年度誘致企業は16社。うち3社がコンタクトセンター関連で、2社が青森市、1社が八戸市に事業所を構えた。

 県産業立地推進課の間山智幸総括主幹は「八戸市に多くのコンタクトセンターが立地し、事業所に適した空きオフィスが少なくなっている。空きオフィスがあり、人材を集めやすい青森市に注目が集まっている」と説明。八戸市で多くの関連業者が事業を運営していることも企業側の安心感につながり、誘致の呼び水になっているという。

 ■県民性を評価

 雪国ならではの県民性も企業側が評価する点だ。

 9日、青森市で開かれた県、市と情報処理サービスを手掛ける誘致企業「タイム・コマース」(羽田直志社長)の協定締結式。羽田社長は同市への進出を決めた要因を「東北の人、雪国の人は真面目な気質を持っており、事務作業に向いている」と説明した。

 同社は主に製造業向けのソフトウエア開発や製造受注業務を担い、東京の本社と秋田市の事業所が拠点。今回、人材確保などを目的に秋田市の事業所を青森市に移転し、9月から事業を開始する。従業員は19年度末までに約60人を地元から新規雇用する方針だ。

 同席した同社の親会社「プレステージ・インターナショナル」(東京)の八久保勝也副社長も「当初、『北国の人は真面目』という仮説のもとに事業所をつくった。今では実績として真面目に、思いやりを持って仕事をしてくれることが分かった」と勤務態度に太鼓判を押す。

 ■「現代の縫製業」

 コンタクトセンターの業界団体によると、国内では沖縄県、札幌市、福岡市が事業所立地の三大拠点として知られる。近年は未開拓の人材掘り起こし、物件や人件費の安さ、自治体からの誘致企業への支援などを理由に東北地方への進出が進んでいるという。

 東日本大震災以降、企業が首都圏への一極集中を避け、全国に機能を分散させていることも後押しになっている。

 地方に少なかった事務職の雇用を創出するコンタクトセンターやビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)について、間山総括主幹は「現代の縫製業」と例える。

 「ITの仕事でも、入力作業などどうしても人が介在しなければいけない部分がある。そこで地方の人材が生かされる」

デーリー東北新聞社