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劇団 新感線・いのうえひでのり、『アベンジャーズ』最新作に脱帽「やっぱり脚本がすごい」

5/18(金) 12:00配信

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 オープニング3日間の興行収入が『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を超えて、全米の歴代映画史上No.1の大ヒットを記録した『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が、快進撃を続けている。日本演劇界でトップを走る劇団☆新感線の主宰・いのうえひでのりが同作を鑑賞。「よくできてる」「恐ろしい」と脱帽し、観客の言葉を奪うシーンの連続に「!!!!!(この後、どうするんだよ!)」と突っ込みつつ、クリエーターとして、観客のひとりとして感想を語った。

【写真】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』いのうえひでのり インタビュー写真&場面写真


 「『(スター・ウォーズ エピソード5)帝国の逆襲』の“アイム・ユア・ファーザー”以来の衝撃!」と興奮気味のいのうえ。そして「演出もすごいけど、やっぱり脚本がすごいんですよね。あれだけキャラクターを登場させて、ちゃんとまとめて、しかも、全部、引き立ててますからね。いやいや、恐ろしい」と感服。

 続けて「世界観、約束事がそれぞれ違う作品を融合させてちゃんとドラマをしているから、お子様ランチに終わらない。」と評価し、神髄に原作コミックへのリスペクトがあると見る。「基がコミックであるというくくりを忘れていない。ドラマを描いてはいるけれど、シリアスに寄り過ぎない。そのバランスの取り方が上手いね。そしてそのドラマを成立させているのは、役者さんの力が大きい」と、役者の力に言及した。

 またシリーズの魅力である、アクションに関しては「趣向を全部変えているから、飽きない。ワカンダ王国のような大地での肉弾戦には、血沸き肉躍る感じがあるし、一方でアイマンマンやドクター・ストレンジたちが戦うシーンはシューティングゲームのよう。絶対にCGでしかできないというか、アニメーションの世界」と具体的なシーンを回想した上で、ドラマだけでなく、アクション場面にも役者の力が働いていると分析する。

 「俳優さんが訓練していて、人間が肉体を使ってガチンコでやっている場面も見せているから、嘘が埋められるんです。CGに変わったときに嘘を感じさせずに、スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドウ)や、トム・ホランド(スパイダーマン)が戦っていると思える。クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ)だって、殴り倒しそうだし」。

 そしてその重要性を説いた。「やっぱり観客は感情移入をして観ているからこそ、ハラハラドキドキできる。僕の作品も、「キャラクターへの感情移入のしやすさ」を大事にしている。そのきっかけに「音楽」や「美術」、役者の演技力やキャラクターの人間臭さといった「リアリティ」が関わってくる。いろんな角度から観客の心を掴むポイントを作らないとダメだと思うんです。本作は感情移入のアクセスポイントが至るシーンにちりばめられているからハラハラドキドキが止まらない構造になっている。」


 いのうえ率いる劇団☆新感線も、歌あり、踊りあり、アクションあり、ドラマありのエンターテインメントで、常に観客をワクワクドキドキさせてきた。いのうえ作品の醍醐味は「外連味(ケレンミ)」であるが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の世界にも「外連味」を感じると話す。

 「“ガーディアンズ”がずらっと並んだ感じなんかは、完全にお芝居の『白波五人男』とかを思わせますからね。『おお~!』っと観客が拍手するのを狙っている。キャプテン・アメリカの登場シーンなんか『出たー!待ってました!!』っていう(笑)。ああいうのは、古田新太演じる五右衛門が登場するときのニュアンスと通じるものを感じましたね」。

 いのうえが一番好きなシリーズは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。「すごく好きです。自分達のハートと通ずるものがある。虫けらみたいなやつらが集まって頑張る、みたいなね。特にロケットが好きですね。こまっしゃくれた感じで、しょせんアライグマという(笑)。今回は、そんな“ガーディアンズ”も入ってきましたからね。どうやって?と思いましたが、いつの間にか溶け込んでいる。すごいですよ」。

 「すごい」を連発した、いのうえ。まだ劇場へ足を運んでいない人には「『!!!!!』っていう映画です」と言いたいと語り、「文字通り、言葉を失う凄さって意味で、作品に引き込まれているからこそ思い浮かんだんです」と説明。そして「早く、次を!」と、次回作へ思いを飛ばしていた。(取材・文・写真:望月ふみ)

最終更新:5/18(金) 12:00
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