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6月15日解禁 民泊〝前夜〟動き鈍く 佐賀県内、申請5件 採算面で慎重

5/18(金) 10:51配信

佐賀新聞

 一般住宅に有料で客を泊める「民泊」新法(住宅宿泊事業法)が6月15日から始まる。3カ月前から事前申請の受け付けが始まったが、佐賀県内の申請数は5件(5月8日時点)で、宿泊施設が不足する都市部や有名観光地に比べると少ない。採算面の不安が強いようで、県内では地域振興の面からの活用も考えられる。

 2017年度の訪日外国人は約2977万人。東京や大阪などのホテルの客室稼働率は80%を超え、宿泊施設の不足が顕著だ。

 民泊新法は、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた訪日外国人旅行客の宿泊施設確保策の一つとして民泊の基本的なルールを定めた。認可ではなく、家主は都道府県などに届け出れば、年間180日を上限に民泊営業が可能になる。

 解禁日からのスムーズな営業につなげようと、営業を希望する家主らの事前申請受け付けが3月15日から始まった。

 県生活衛生課によると、今月8日時点で県内の申請数は5件。内訳は佐賀市4件と小城市1件で、一般住宅とアパートが申請した。福岡県では10件ほどだが、他県は佐賀と同じように少ないという。

 鹿島市浜町で民泊事業のモデル実験を行った佐賀大学理工学部都市工学科の三島伸雄教授は民泊の申請数について「仏壇がある、倉庫として使っているなど、県内は空き部屋や空き家の所有で困っているようではない」とし、「改装など受け入れ環境の整備費用に見合う利益が出るのかを不安視しているのでは」と分析する。

 佐賀県内は2017年の外国人延べ宿泊者数が前年比51・9%増の38万人で、全国3位の伸長率。県観光課は民泊について、「宿泊施設の選択肢が増える」点を期待。同課は「宿泊施設が少ない地域では、農業民泊など地域づくりの一環として活用することも考えられる」と話す。

 一方、生活環境悪化に対する住民の不安から、区域制限など独自の規制条例を施行している自治体もあるが、県内では現在、同様の条例は定めていない。

 また、県旅館ホテル生活衛生同業組合は昨年12月、旅館・ホテル業界との競争環境の同一化や厳しい安全基準などを訴え、県に対し、民泊の適正なルールづくりを求めた。

 県はごみや騒音、交通渋滞など住民の生活に影響があれば制限をかけるとし、「自由経済の観点から、既存の宿泊施設の客室稼働率低下を理由に制限はできない」と説明し、「既存の宿泊施設の動向を注視していく」としている。

最終更新:5/18(金) 10:51
佐賀新聞

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