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障害者の雇用、官民逆転 民…全国3位、5年連続で増加 官…県の特別枠、昨年実績ゼロ 佐賀

5/18(金) 11:30配信

佐賀新聞

 佐賀県の障害者雇用が伸び悩み、本年度初めて、法定雇用率を下回る見込みとなっている。県内企業で障害者雇用率の上昇傾向が続いており、こうした状況が影を落としているとみられる。4月の改正障害者雇用促進法で精神障害も雇用率算定の対象となっており、行財政改革で効率化が進む中、障害者が力を発揮できる業務のピックアップが課題となっている。

 佐賀県(知事部局)の2017年度の障害者雇用率は2・37%で、都道府県別で全国ワースト3だった。前年度比で0・17ポイント減少、過去10年で最高だった14年度の2・65%からは0・28ポイント後退している。これとは対照的に、県内企業の障害者雇用率は5年連続で増加、17年度は2・54%で全国3位だった。

 4月の法改正により、法定雇用率は、県など地方公共団体が2・5%に、一定規模以上の企業は2・2%になった。自治体が模範的役割を担うという位置付けだが、昨年度は県内企業が県を上回る「逆転現象」が起きた。

 県は、1989年から身体障害者を対象に別枠採用制度を設けている。昨年度は合格者が出なかったため追加募集したが受験者がなく、採用実績はゼロだった。企業で障害者雇用が広がっていることなどが影響しているとみられる。これを受けて本年度は受験要件を緩和し、障害の程度を「1~6級」に、年齢も「18~36歳未満」に拡大した。

 他県では障害者の別枠採用を身体障害だけでなく、精神障害も対象にする動きが出てきている。九州内では昨年度、福岡県が別枠採用に精神障害を追加した。福岡県の障害者雇用率は3・55%と高水準にあるものの、「(雇用率算定に精神障害が追加された)改正法の趣旨を踏まえた」(福岡県)。対人接触を減らすなど特性に合わせ配置を工夫し、「業務上の問題はない」としている。

 佐賀県も採用拡大の検討を始めている。ただ、行財政改革で業務の見直しや職員数の削減を進めており、「どのような業務があるか検討が必要」(県人事課)。そううつ病や統合失調症など精神疾患は体調の波が大きく、薬の副作用で長時間働くことが難しい人もいる。県は非常勤による雇用増も選択肢に入れる。

 佐賀労働局は、「法定雇用率を下回っている場合は、採用計画の提出を求め、指導することになる」としている。

最終更新:5/18(金) 11:30
佐賀新聞