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商船三井:大型新造船に浄化装置設置方針、排ガス新規制対応-関係者

5/18(金) 16:32配信

Bloomberg

商船三井は再来年から始まる環境規制に対応するため、今後大型船を発注する際には排ガスから硫黄酸化物などを除去する浄化装置を設置する基本方針を固めた。「海運業界の2020年問題」とも呼ばれる船舶の排ガス環境規制に対する国内海運会社の対応策が明らかになるのは初めて。

方針は非開示であることから、複数の同社関係者が匿名を条件に明らかにした。同社は現在船隊の規模を縮小しており、新造船の発注は中長期の用船契約を締結している荷主向けが中心となる。スクラバーと呼ばれる排ガス浄化装置の設置には大型船であれば1隻当たり数億円かかる。追加のコストを運賃に上乗せする必要があるため、設置は鉄鋼、石油、自動車会社など荷主から合意を得られた船が対象になる。現時点では設置案を持ちかけた荷主企業のほぼすべてが応じているという。

商船三井がスクラバー設置の対象とするのは、石炭や鉄鉱石、穀物などを運ぶばら積み船、原油や石油・石油化学製品を運ぶタンカー、自動車専用船などの船舶。コンテナ船は、商船三井と日本郵船、川崎汽船の3社が共同で設立したコンテナ船事業の統合会社に事業が移管されており対象外となる。

現時点では、18年度に完成する予定の大型ばら積み船とタンカーの計2隻にスクラバーを設置する予定。同社広報部は年間の新造船発注隻数については非公開としているが、関係者によると、大型新造船の発注は年間で少なくとも10隻程度を想定しているという。

海外でもスクラバー設置の傾向

海外ではスクラバーの設置を選択するケースが増加している。スクラバー製造会社の1社、米CRオーシャン・エンジニアリングは15日、スコットランドの海運会社からタンカーや重量物運搬船など14隻用にスクラバーを受注したと発表した。商品取引会社トラフィギュラ広報担当のビクトリア・ディックス氏によると、同社は新造する32隻の原油・石油製品タンカーすべてにスクラバーを設置することを計画しており、第一船の受け取りは10月を予定しているという。世界全体で約20社のスクラバー製造会社があり、国内では三菱重工業や三菱化工機、富士電機が手掛けている。

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最終更新:5/18(金) 16:32
Bloomberg