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ディープ・パープルと言えば第2期! 第2期と言えば『LIVE IN JAPAN』!

5/20(日) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は当初は日本のみでのリリースだったハードロックの代名詞、ディープ・パープルの『LIVE IN JAPAN』を紹介したい。

現在、世界でリリースされているのは“MADE IN JAPAN”というタイトルだが、1972年当時のロック小僧たちをハードロックに目覚めさせたのは『LIVE IN JAPAN』である…名前は変わっているけど、どっちも内容は同じ。日本だけでリリースされていた『LIVE IN JAPAN』があまりに売れたため、パープル側が慌てて『MADE IN JAPAN』として出したのだ。“日本だけで”という事実は、日本のファンにとって大いなる誇りであり、現在までの衰えることのない彼らの人気にもつながっている。また、この作品がヒットしたおかげで、ギターを手にした少年は思いのほか多く、今でも「スモーク・オン・ザ・ウォーター」(タイトルは知らなくとも、この曲のリフは知っているはず)を知らない日本人はいないと言っても過言ではない。この4月、18年ぶりとなる来日公演が実現するが、熟練したハードロックの真髄を必ず見せてくれるはずだ。
※本稿は2014年に掲載

ヘヴィメタルの元祖は…

70年代の終わりから80年代初頭にかけて、ヘヴィメタルというスタイルが一般化したとよく言われるが、僕もそれに異存はない。それまでハードロックと呼ばれていた音楽がパンクやニューウェイヴなどを通過して、ヘヴィメタルへと移行していったのだが、そのルーツはどこにあるのか…僕の経験からちょっと考えてみたい。

1970年に中1だった僕は、まずグランド・ファンク・レイルロードでハードなロックに開眼し、その何カ月か後、レッド・ツェッペリンやブラック・サバスといった本格派のハードロックと出会って、すっかりハマってしまった。エリック・クラプトン率いるクリームや、ヴァニラ・ファッジに熱狂したのもこの頃だ。中2ぐらいでディープ・パープルの『イン・ロック』(’70)を聴き、その音圧とスピード感に(今聴くと、そうでもないのが面白い)夢中になったものである。当時は、英米の大物ロックグループが次々と来日していて、中でも71年のグランド・ファンクの嵐の中での来日公演は凄い!のひと言で、現在50歳以上のロックファンには伝説になっている。しかし、グランド・ファンクやクリームはハードロックであっても、ヘヴィメタルの持つサウンドとは、かなりニュアンスが違うのだ。

なかなか説明が難しいので、Wikipediaで「ヘヴィメタルを調べてみた。すると、実に興味深い部分があった。阿川佐和子の『聞く力』に収録された対談で、日本のヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」のデーモン閣下が「ハードロックに様式美を持ち込むとヘヴィメタルになる」という発言をしている。なるほど、これは巧い表現なので、僕もこの意見には賛同させてもらう。この言葉に付け加えるとすれば、ハードロックは、そのルーツにブルース色を感じるものが少なくないが、ヘヴィメタルはそのルーツもロック(それも白人色が濃い)だということだろう。

こうしてみるとヘヴィメタルの元祖は、ブラックサバスは別格としても、レッド・ツェッペリンの2枚目に収録された「胸いっぱいの愛を」(’69)や3枚目に収録の「移民の歌」(’70)、4枚目に入っている「ブラック・ドッグ」(’71)、そしてステッペンウルフの1枚目のアルバムに収録の「Born to Be Wild」(’68)、ディープ・パープルでは第2期時代の『イン・ロック』に収録の「スピード・キング」、7作目となる名作『マシン・ヘッド』収録の「ハイウェイ・スター」や「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、そして第3期時代となる『紫の炎』に収録された「バーン」あたりが元祖と言えるが、特にディープ・パープルは『マシン・ヘッド』でへヴィメタルの基礎部分である様式美を創り、この『LIVE IN JAPAN』で、その全貌を世界に先駆けて日本に紹介したのである。

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最終更新:5/20(日) 18:00
OKMusic