ここから本文です

バスの花形「2階建て」復権なるか 海外製の新型、続々導入のワケ 既存車の今後は

5/21(月) 6:20配信

乗りものニュース

「2階建て」の代替車両選びに苦労するバス会社

 2階建てバスは、観光バスや高速バスなどで一定の需要がありますが、その数は減っています。2010(平成22)年に、国産唯一の2階建てバスだった三菱ふそうトラック・バス製「エアロキング」が製造中止となったためです。

この記事の画像をもっと見る(15枚)

 多くの人を運べ、眺望にも優れるといったメリットのある2階建てバスは、夜行・昼行高速バスや定期観光バスのほか、いわゆる「高速ツアーバス」(かつて存在した道路運送法に基づかない旅行商品としての高速バス)などに採用され、特に北海道・東北を除くJRグループのバス会社では高速路線用に大量導入されていました。

「エアロキング」の製造中止は、排ガス規制への対応がコスト面から困難であるとメーカー側が判断したことがおもな理由ですが、これ以降、2階建てバスを多く保有するバス会社は、代替車両選びに苦労することになります。ジェイアールバス関東のように延命工事を施して使い続ける会社もあれば、西日本ジェイアールバスや近鉄バスのように、ハイデッカータイプの車両に代替する会社もあるなど、対応はさまざまです。なかには、近鉄バスや中国ジェイアールバスのように、夜行高速路線で活躍していた車両を改造し、定期観光バスに転用するケースも見受けられます。

海外製の新型2階建てバスが日本に導入されるまで

 そのようななか、海外製の2階建てバスに目を付けた会社があります。東京をメインに定期観光バスを運行する「はとバス」(東京都大田区)です。同社も多数の2階建てバスを保有しており、代替車両をどうするかという課題に直面していました。「ゆくゆくは2階建てバスが寿命を向かえて1台もいなくなってしまう」という危機感もあったそうです。そこで同社は、欧州のバスメーカーのなかから、日本に合う2階建てバスを探し始めたのです。

 とはいえ、苦労も多かったとか。一番の問題は「バスのサイズ」でした。欧州で走るバスの幅は2.55m、全長も13m以上が主流であるのに対して、日本では法規で幅2.5m、全長12m以内とされています。欧州規格の車両を日本では走らせられるのは、決められたルートを走る路線バスに「緩和」として特別に許可された場合のみで、自由に走り回ることが基本の観光バスとしては難しいのです。

 そこで、はとバスは日本の法規にあった2階建てバスの開発を各メーカーに嘆願しますが、多くのメーカーは「日本向けサイズの車体を開発するのであれば、大ロットで」と求めてきました。しかし、そのなかでベルギーの「バンホール」社から打診があり、「日本向けサイズの車両を作っても良い」との回答が。そこから先は順調に話しが進み、ボディーはバンホール社製の「アストロメガ」(型式名:TDX24)を、エンジンとシャーシ(フレーム)は過去の実績やサービス体制を熟慮した結果、スウェーデンのスカニア社製を採用することを決定します。

 こうして、導入検討開始から5年を経て、2016年にスカニア/バンホール「アストロメガ」の1号車が導入されました。はとバスは今後も、このタイプの車両を増備する予定です。

1/3ページ