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日大アメフト問題:中竹元早大ラグビー監督が語る「選手支配する虚像の恐怖」「指導者も観客も変わらねば」

5/25(金) 12:12配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

日大アメリカンフットボール部の反則行為問題が注目を集めている。なぜ選手は「一線を越えた」のか。“グレーゾーン”もスポーツの醍醐味だと持て囃してきた私たちにも責任はないだろうか。

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「日本一オーラのない監督」として早稲田ラグビーを2連覇に導き、コーチや企業のリーダー育成に携わる中竹竜二さんに話を聞いた。

恐怖コーチングを許して来たのは誰なのか

5月6日に行われたアメフトの日本大と関西学院大の定期戦で、日大の守備選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷させ、退場処分になった問題。監督・コーチは辞任、日大の選手も競技を辞める意思を発表しているが、反則行為に至った経緯には不透明な部分もある。

怪我をした関学大選手の保護者は警察に傷害容疑で被害届を提出しており、日大も第三者委員会を設けて調査する方針だ。

--日大は選手と内田正人前監督・井上奨コーチがそれぞれ会見を開きましたが、反則の指示についてなど、主張には食い違う点もありました。今回の件、率直にどう感じますか。

中竹:まず、日大アメフト部の組織に疑問があります。関西学院大学に謝罪したタイミングも遅すぎますし、会見での様子を拝見していると、真実を明らかにする仕組みそのものが機能していないように感じました。権力を持つと周囲からの助言がもらいづらくなることはありますが、それにしても……。

今回はたまたま彼(宮川選手)が当事者だったけれど、監督やコーチという絶対的な権力を持った人の下で、どんな指示でも従わなければならないという空気がチーム全体にあったのかもしれません。そういう組織の中にいると「プレイを辞めることは死を意味する」という、虚像の恐怖に支配されてしまうことがあるんです。

--そういう場合はどうしたらいいんでしょうか。

中竹:こうした恐怖政治というか恐怖コーチングは今に始まったことではないと思うので、保護者や卒業生など、“その世界をすでに通過した人たち”が声を上げるべきだったと思います。「監督こわかったよね」と武勇伝のように語るのではなく、「あれはおかしかったよね」と問題提起できなかった過去の関係者たちも含めて、組織の問題ではないでしょうか。

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最終更新:5/25(金) 13:02
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