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知らずに部下の心を折っている「丁寧なフィードバック」

5/26(土) 20:20配信

LIMO

「仕事上の問題についてちょっと厳しく指摘しただけで、部下が会社に来なくなった」
「進行中のプロジェクトで気になる点があるけれども、上司の管轄だから口を出しにくく、不満が溜まる一方……」

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 みなさんの職場でも、よく見られる光景ではないだろうか。

「欠点」「至らない点」を指摘するのは難しいもの。産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチの渡部卓氏は、「否定的なことを指摘することは、時には組織を破壊しかねないほどの大きな影響力を持ってしまうこともある」という。渡部氏の最新刊『人が集まる職場 人が逃げる職場』より、職場の士気を下げず上手に「振り返り」を行う方法を教えてもらった。

経験豊かな上司ほど失敗する!?

 一つのプロジェクトが終了したときや問題を解決したとき、多くの職場で行われるのが「フィードバック」です。上司が部下と仕事の振り返りを行い、次の仕事に活かす。「PDCAサイクル」でいうところの「C(=評価)」にあたります。

 フィードバックは「過去」のことに対して言及するもの。よって、多くの場合、その内容は否定的になりがちです。

「改善点はどこか?」
「なぜ目標に届かなかったのか?」
「どうすればトラブルは防げたのか?」

 失敗してしまった点や至らなかった点への言及が主になるので、どうしても経験や知識・技能の豊かな上司ほど、細かな点まで見えてしまい、ネガティブな指摘が増えてしまう傾向があるのです。

フィードバックが現場の士気を下げる?

 もちろんフィードバックはとても大切なことですし、業務や部下の能力改善のために必要な場面も多々あるでしょう。とはいえ、あまり「至らない点」や「今はもう変えられない点」ばかり指摘すると、逆に現場の士気を下げてしまうかもしれません。

 人間誰しも、自分に対するネガティブな意見は、できることなら聞きたくないもの。それが自信のあったことや、力を入れてがんばってきたこと、多少のリスクを取ろうとしたことであればなおのことです。

 こうしたことがあるので、「相手のためを思って」丁寧なフィードバックをしたにもかかわらず、素直に受け入れてもらえない場合もあります。業務改善を図ったつもりが、裏目に出てしまうこともありうるのです。

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最終更新:8/20(月) 12:50
LIMO