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円高でどれだけ利益が減る?最も影響が出る製造業

5/26(土) 19:49配信

ニュースイッチ

自動車7社で7000億円の減益、電子部品も警戒感

 大手企業・製造業が設定した2019年3月期の想定為替レートは、先行きへの警戒感が相次ぎ示された。足元の円ドル相場より円高である1ドル=105円を設定する企業が目立つ。行方を読みにくい北朝鮮情勢や米中貿易摩擦、新興国通貨安などの懸念材料を背景に、企業業績の鈍化を予測する企業が少なくない。ただ各社の想定レートは同100―110円程度と企業間で温度差もみられ、先行き不透明な相場環境に企業は翻弄されてもいる。

 乗用車7社の18年3月期連結決算は円安効果で収益を伸ばしたが、19年3月期連結は一転して為替が逆風になる見通し。ドルをはじめ各種通貨に対する円高が7社合計で7054億円の営業減益要因になる見込みだ。

 マツダは19年3月期の想定レートについて「実勢レートを考慮」(藤本哲也常務執行役員)して107円に設定。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなど残り6社はすべて105円。三菱自動車の池谷光司副社長は「ドルに関しては昨今の情勢も踏まえ、円高局面があり得るだろうと堅めにみた」と説明する。

 ドル以外の通貨も円高傾向にある。19年3月期連結の営業利益はトヨタの場合、円高が2300億円の悪化要因となり前期比4・2%減の2兆3000億円、SUBARU(スバル)も円高が584億円の押し下げ要因となり、営業利益は同20・9%減の3000億円を見込む。吉永泰之スバル社長は「為替の影響を大きく受けるのは事実。注視していく」と警戒する。

 為替リスクに“即効薬”はない。トヨタの小林耕士副社長は「3000億―4000億円規模で稼ぎを増やさないと為替変動についていけない。原価低減を徹底する」と話す。

 電機各社は足元の為替レートに比べて保守的な姿勢が目立つ。日立製作所は1ドル=105円想定。西山光秋執行役専務は「(各国間の貿易摩擦が悪化すると)リスクオフの円高になる環境がある」と指摘する。為替が1円動いた際の営業利益に与える影響は対ドルで30億円。為替影響全体で前期比で差損が発生する見通しだが、中期経営計画の目標である19年3月期の営業利益率8%を視野に入れる。

 パナソニックも同105円想定。19年3月期に営業利益4500億円を目標に掲げていたが4250億円とした。津賀一宏社長は「(4500億円は)1ドル=115円の時の目標。目標の目線は変えていない」と語る。想定レートを円高方向に見直した影響が出る。

 日立、パナソニックはいずれも営業増益見通しで、円高の逆風下でも増益を実現する体質となりつつある。

 円高への警戒感をにじませるのが三菱電機で、同100円想定。今期は主力のFA関連に一服感があり、営業減益を見込む。同社は例年、保守的に想定レートを設定するだけに、円高が極端に進行しなければ業績の上振れ余地も期待できる。

 電子部品各社は事業に対する為替感応度が高く、軒並み警戒感を強めている。想定レートを1ドル=100円とした日本電産の永守重信会長兼社長は「19年3月期は円高になる可能性が高く、実勢レートは1ドル=100円台あるいは同100円を切るかもしれない」と保守的な見方を示す。すでに社内では円高リスクを勘案した指標を設けており、「業績が悪かった場合に口が裂けても円高のせいにしない」(永守会長兼社長)と続ける。

 村田製作所やTDK、京セラ、ミネベアミツミなども想定為替レートを、前期の同約111円から今期は同105円に変更。ミネベアミツミは17年11月に、事業環境が好調のため19年3月期業績が上振れる可能性を示唆していたが「(円高へ)為替環境が大きく変わった」(貝沼由久会長兼社長)と説明。スマートフォンやゲーム市場の鈍化も重なり、19年3月期業績は保守的な数値に見直しを迫られた。

 一方でアルプス電気は今期の想定為替レートを同107円に設定。前期比で4円の為替の開きがあり、営業利益ベースで約50億―60億円の影響を想定する。だが、気賀洋一郎アルプス電気取締役は「この分は堅調な車載事業などで補っていく」と為替影響を既存事業で吸収する考えだ。

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最終更新:5/26(土) 19:49
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