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金正恩の新教科書を解剖する(2) すべては偶像化のために でも肖像画ゼロの不思議

5/28(月) 20:08配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆金父子の肖像画なし

◇金父子の肖像画なし
ある程度予想していたとはいえ、どの教科書でも金日成-金正日-金正恩の偶像化は徹底している。物理や数学、自動車、美術などの科目に至るまで、北朝鮮のあらゆる分野の刊行物と同様に、すべての教科書の巻頭には金日成、金正日、金正恩いずれかの「お言葉」が、学習指針として太字で強調されている。金日成氏と金正日氏については、小学校で「偉大な首領・金日成大元帥様の子供時代」、中学校では「偉大な首領・金日成大元帥様の革命活動」「偉大な領導者・金正日大元帥様の革命活動」という科目を設けて、個人史を学習させている。

ところが、まったく意外だったのは、目を通した80冊余りのすべての教科書に、三人の「最高指導者」の肖像画、イラスト、写真が、ただの一枚もないのである。個人崇拝に特化したこの「革命活動」科目の教科書にも、一切登場しない。「金日成の革命活動」では、抗日活動中の同志として金策(キム・チェク)や呉仲洽(オ・ジュンフプ)、金正恩の最側近の一人である崔龍海(チェ・リョンヘ)の父親・崔賢(チェ・ヒョン)などが写真入りで紹介されているのだが、金日成については写真もイラストも皆無だ。

教科書を何人かの脱北者に見てもらったが、肖像が皆無なのは「子供たちが毀損、落書きするのを未然に防ぐためだ」という。すでに八〇年代においても、金日成の幼少時代の絵があったぐらいで、肖像写真・画は一切なかったとのことである。生徒たちが、教科書に出て来る「偉人」の肖像にいたずら書きするのは、日本も北朝鮮も同じようである。
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