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金正恩の新教科書を解剖する(3) 世襲独裁教育の要「社会主義道徳」

5/29(火) 11:03配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

はじめに――ペク・チャンリョン

はじめに――ペク・チャンリョン
北朝鮮の歴代政権は、人間として最も高尚な道徳や品性は、党と首領に対する忠実性にあると力説してきた。したがって学生生徒たちに対する道徳教育も、金日成-金正日に続き金正恩が率いる朝鮮労働党と、その党が遂行する社会主義革命に忠実であること、そして「領導者」を崇拝し忠誠を誓う人材に育て上げることに主眼を置いている。こうした「崇拝教育」の目的と理念は、北朝鮮の社会主義憲法にも見ることができる。

北朝鮮の社会主義憲法第四三条には「国家は社会主義教育学の原理を具現し、後代たちを社会と人民のために闘争する堅強な革命家として、知徳体を備えた主体型の新たな人間として育てる」と記している。

一言で言えば、人間としての普遍的徳性の育成よりも、社会主義革命のために邁進する心構えと、三代世襲の唯一の「領導者」に代を継いで忠誠を誓う人間の育成を目的としている。
※知徳体:北朝鮮の教育スローガン。知は知育、徳は徳育、体は体育を意味する。

中学校の「社会主義道徳」の教科書では、「学生少年が道徳生活において守るべき一〇の項目」(以下「一〇項目」)を強調している。その一つ目の項目は「金日成と金正日、金正恩を衷情で高く崇め奉らなければならない」というものである。

すべての国民が首領のために生き、首領のために死ななければならないということを綱領化した北朝鮮最高の統治規範である「党の唯一的領導体系確立の一〇大原則」(以下「一〇大原則」)と相似したもので、その学生版と見ることができる。
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