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池井戸潤の実写化は、なぜいつも“アタる”のか?

5/31(木) 11:11配信

BuzzFeed Japan

大企業の“リコール隠し”をテーマにした映画『空飛ぶタイヤ』が6月15日に公開される。原作は池井戸潤による累計170万部を超えるベストセラー小説だ。【BuzzFeed Japan / 山崎春奈】

『半沢直樹』シリーズ、『下町ロケット』『民王』など、働く人々を描き続けてきた池井戸。リアリティある描写を評価されることも多いが、意外にも「ほとんど取材はしない」と話す。

出版不況の中、常に50万部という高い目標を掲げているという。ヒット作を生み続ける創作の秘密を聞いた。

最大の宣伝はスキャンダル?

ある日、小さな運送会社・赤松運送を襲った突然のトレーラー脱輪事故。

社長の赤松徳郎(長瀬智也)は社内で事故調査を進める中で、原因は整備不良ではなく、製造元である大手自動車会社・ホープ自動車の車両欠陥ではないかと思い至る。

もし、誰もが知る企業が、人を死に至らしめる欠陥を隠蔽していたとしたら――。

赤松は社員や事情を知る告発者とともに、大企業の“リコール隠し”という真実を暴くべく戦い始める。

物語の大きなテーマは「大組織による不都合な事実の隠蔽」。ある意味、今の日本の状況とリンクしている部分もある。

「期せずしてですが……それが最大のプロモーションかもしれないですね。実際、私企業や政界の不祥事が起きる度に僕の過去の小説が少し動くんですよ(笑)」

池井戸作品には、企業の不正や組織の腐敗をテーマにした作品も多い。

「扱うことは多いですが、自分の中には『正義はこうあるべきだ』『不正が起きないようにしよう』なんて啓発的なメッセージは特にありません」

「正義どうこうよりも、エンターテインメントであることが第一。娯楽小説ですから、まずはエンタメとして楽しんでもらうのが最大の目的です」

「それぞれの事態を糾弾したいというよりも、なぜこの社会でそういう事件が起きてしまうのかを構造的に考えたい、という思いが強いかな」

「実際に似たような事件があった時に『そういえば、そんな小説があったな』くらいに思い出していただければ」

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最終更新:5/31(木) 11:11
BuzzFeed Japan