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市場広げる“骨なし魚” 介護食向けから居酒屋まで

6/1(金) 16:00配信

みなと新聞

 骨なし・骨取り魚の国内市場規模が年々拡大している。調査会社の富士経済によると、2017年の病院・高齢者福祉施設向け市場規模は前年比8%増の343億5000万円の見込み。近年は医療・介護食分野に加え、学校給食、ホテル・レストラン、居酒屋など外食、小売の惣菜分野などでも徐々に市場を広げており、メーカーも販売に力を入れている。

 骨なし魚はこの15年ほどで成長した。切り身から始まった商品は焼き魚や煮魚など、通常の魚製品がそろう。魚種もトップメーカーは30種余りをそろえ、サケ、サンマ、サバなどの大衆魚といわれる魚種のほとんどが骨なし魚として販売されている。

 市場を支えているのが医療・介護食分野だ。18年の市場規模は前年比5・4%増の362億円の見込み。当面は市場拡大が続く見通しで、20年は410億円、25年は510億円と富士経済は予想する。

 ただ、長い視点に立てば、国内の総人口減少やそれに伴う高齢者の絶対数減少を背景に、病院・高齢者福祉施設向け市場はいずれ縮小を余儀なくされそう。近年増加の一途のインバウンド(訪日外国人)需要も20年の東京五輪・パラリンピック開催後は市場が定着、続伸するか不透明だ。

 一方、膨大な潜在需要が見込まれ、長期的な拡大トレンドを示しそうなのが小売店の惣菜原料向け。日本惣菜協会によると、17年のコンビニ、スーパーなど小売店対象の惣菜市場規模は10兆555億6000万円と前年比2・2%増。業態別市場規模はコンビニが3兆2289億円(前年比3・7%増)と大幅に増え、食料品スーパーの市場規模も2兆6205億円(3・1%増)とコンビニに次ぐ増加率だった。

 仮に惣菜市場のうち、1割が水産惣菜であれば市場規模は1兆円を超える。うち1%に骨なし・骨取り魚が利用されれば市場規模は100億円の計算になる。既に水産惣菜に骨なし・骨取り魚が利用されるケースは増えており、大手メーカーは今後の伸び代は大きいとみて提案強化に動く。

[みなと新聞2018年5月29日付の記事を再構成]

最終更新:6/1(金) 16:00
みなと新聞